きみとバンド、浅草公会堂でワンマンライブ「Road to Budokan 第一章」を開催!

ガールズバンド「きみとバンド」が、2023年3月18日浅草公会堂にて、ワンマンライブ「Road to Budokan 第一章」を開催した。本ライブは、武道館でのライブを目指す決意を示す第一章。また同日、新体制後の初アルバム「kimiban」をリリース、これからの「きみとバンド」を追うスタートとなる絶好のライブ、音源となる。初のホールライブとなったこの日、きみとバンドはどのような姿を見せてくれたのか。

開演を待ちわびる観客(きみ)達で埋まった会場。SEと共にメンバーが登場すると、会場は大きな拍手と声援で迎える。緊張も見られるが、どこか誇らしげに見える彼女達の姿に、ライブへの期待が高まる。大野真依のドラムから始まった 1曲目は代表曲でもある「きみとバンド」。続く「スタートライン」でも観客はその高揚を表すが如く、曲中ずっと手拍子でその気持ちをステージに届けていた。そしてアップテンポの「はなればなれ」では、ステージに声援を送りながら会場の熱量を上げていく。

Dr. 大野真依のドラムは楽曲の柱になると共に、アンサンブルの邪魔をしないバランスを保ちながらリズムを進めていく。しかし、要所では感情を乗せてプレイするする姿も見られ、見る者の目を楽しませている。Gt. Vo. 清原梨央のプレイは実は奥が深い。優しいオーバードライブサウンドによるバッキングと、要所で魅せる丁寧なオブリガートが楽曲の奥行きを広げている。Gt. Vo. 森田理紗子の歌唱力は言わずもがな。安定した音程と音域の広さで、様々な楽曲を表現力高く歌い上げる。

「浅草公会堂、Road to Budokan 第一章に来てくれてありがとうー!」

観客は大きな拍手と声援で応え、森田理紗子がその想いを伝える。
「一人でやってきた期間が長かったんですけど、きみとバンドに出会えて、メンバーと一緒に作れるステージとか、ファンの方との一体感とか、音楽ってこんなに楽しくて、自由で良くて、ていうことを、きみ(ファン)ときみとバンドに教えてもらいました」

続いてバンドの原点とも言える「amulet」を静かに会場に届ける。自らの想いを込めて演奏する大野真依、綺麗なギターサウンドとメロディで曲を彩る清原梨央、そして森田理紗子の優しい歌声が会場を包んでいた。そしてステージは「rosemary」、「きみとふたり」と続く。手拍子と身体を揺らしてステージを楽しむ観客。柔らかな空気が会場を包んでいた。

続いて清原梨央がMCを取る。
「バンドを始めて3年になりますが、バンドマンとしての存在意義に悩む時があります。それでもメンバーは梨央ちゃんだからいいんだよ、って言ってくれます。きみとバンドは、私がやっと見つけた居場所です。ここで輝いて、誰かの光になれるように私らしく歌い続けていきます」

メンバー全員がその想いを受け、感情を込めてスタートした「オレンジ色の世界」。観客も手拍子でその想いに応える。この曲の演奏は、メンバーの想いの強さがひしひしと伝わる圧巻のパフォーマンスであった。続けてアップテンポな「スローモーション」、「レリビ☆」と続き、会場中が楽しい空気で包まれていく。ライブで最も難しいのは空気を作ること。それを演奏とパフォーマンスで見事に作り上げて会場を引っ張る3人の姿に、これからに向かう頼もしさを感じた。

同日発売のニューアルバム「kimiban」を紹介し、ステージは後半戦へ。新曲となる「さよならリフレイン」を森田理紗子がピアノの弾き語りでしっとりと聴かせる。ここからは「シャボン玉」、「歌にのせて」と柔らかな楽曲で楽しむステージと会場。続く一転アップテンポな「きみが好き」では、会場は再び手拍子で楽しみ、「蝉しぐれ」では切ない想いを歌い上げる森田理紗子の迫力に圧倒された。

ここで大野真依が静かにその想いを語る。
「中学の時に芸能界に入りたいと思ったんですが、何がしたいとか、これで売れたい、ていう気持ちは無くて。そんな空っぽだった私にとって、みんなを日本武道館へ連れていくという明確な目標が、私の全ての原動力になっています。絶対にファンのみんなと、そしてこのメンバーと、日本武道館に立ちたいと思っています」

彼女の言葉を聞き、想いを一つにした観客へ終盤 4曲を送り届ける彼女達。まずは熱量を一気に上げるロック・ナンバー「あの場所へ」、「恋のモンスター」。会場の熱気も一気に最高潮。速いビートと共にメンバーと一緒に歌う観客。「∞YAKEN」では、「浅草好きやけん」と変え、会場との一体感も MAXへ。

この終盤、楽しさいっぱいのステージングは圧巻であった。様々な思いを抱えてステージに上がる彼女達。アーティストとして、バンドマンとして、何よりもお客さんに楽しんで欲しい、その空気を彼女たちは見事に作りきって見せた。彼女達は、自分たちに足りないところもたくさんあると話していた。それでもこの日、この瞬間は、お客さんにたくさんの笑顔と感動を与えられたはずである。その経験を糧に、さらに多くの人、多くの笑顔を届けるべく、進化していって欲しいと感じた。

ラストは春に向かうこの日に相応しい「春風問答」。ステージに桜吹雪が舞う中、美しいメロディと観客の手拍子の中、ステージ、会場双方がこの時間を名残惜しむように笑顔で向かい合っていた。終わってもまだまだ物足りない会場。席を立つことなく、手拍子を続け、アンコールでメンバーが再登場。そして1年ぶりとなるツアーを行うことが発表された。

「東温ラブストーリー」で、ステージ上を縦横無尽に駆け回る清原梨央。彼女の笑顔とステージパフォーマンスはきみとバンドには欠かせない存在であることは確かだ。ラストは「rebirth」。大野真依、清原梨央、森田理紗子の 3人が、「きみ」への感謝と、これからへの決意を胸にしっとりと歌い上げる。それぞれの顔には、観客への感謝、そして第一章をやり遂げた達成感が表れていた。今後の彼女達の進化に期待である。こうして武道館への始まりとなる記念すべきライブ「Road to Budokan 第一章」は幕を閉じた。

武道館へ一歩一歩、歩みを進める「きみとバンド」。この文章を読んでいる「きみ」の皆さん、これからも彼女達と共に歩みを進め、武道館に立つ 3人の雄姿をぜひ見届けて欲しい。音楽は、その時の経験とリンクして記憶される、という言葉がある。楽曲と共に自らの経験を重ね、彼女たちの存在を人生の一部として記憶していこう。その記憶は、必ずや楽しさと夢いっぱいの素敵な記憶となるはずである。

Text: 大泉 繁

また、ライブ後にメンバーからのコメントが到着した。武道館を目指すバンドの 1stステップとなるライブを終えたメンバーの想いを見て欲しい。

森田理紗子 ———————————————————————————–

―浅草公会堂ライブを終えてみての感想は?
初めてのホール公演。最高に楽しかったし、このライブをもってついに武道館への道がスタートしたんだなと、ぐっと気が引き締まりました。ライブ終了後にファンの方からはたくさんポジティブなお声もいただけて、バンドとしてとても自信がついたライブでもありました。ただ、力を入れていた分、その力が空回ってしまった部分もあったなと思います。これからも色んな舞台で勝負していく中で、気持ちで負けない!というのが次回以降の課題かなと思います。

―見どころは?
浅草公会堂ライブ当日から発売となったアルバム「kimiban」から初披露となった新曲「さよならリフレイン」では、私自身きみとバンドでは初めてキーボードボーカルを担当しました。ソロではピアノ弾き語りで活動していた時期もあったのですが、それも何年も前の話なのでこのような形でまた披露できたことがとても嬉しかったです。「さよならリフレイン」は今後のきみとバンドの方向性を新たに示す大切な曲となったので、これからも進化させつつ、大事に歌いたいです。

―目標である日本武道館へ向けてこれからは?
ぼんやりしていた武道館への道が、今回の浅草公会堂のライブを経て、いかに険しい道なのかということを思い知った気がしています。だから、MCでも言った通り型にとらわれず、どんどん色んなことに挑戦していかないといけないと思いました。どんな声があっても、ゴールが明確である以上惑わされず、まっすぐに突き進んでいく強さを持って活動していきたいです。

清原梨央 —————————————————————————————-

―浅草公会堂ライブを終えてみての感想は?
今まで一番緊張感のあるライブでした。今回のライブがRoad to Budokan 第一章ということで、武道館への一歩が今始まったんだ…!と改めて実感して、ステージに立った瞬間に心臓がドキドキしました。ギターを弾く指も震えていたりして、それだけ武道館にかける想いが自分の中で強いんだなと再確認できたライブでもありました。

―見どころは?
本編ラストの春風問答。桜が降ってくる演出があって、とても素敵でした。今までにない演出でとても嬉しかったですし、本当に浅草に一足早い春が訪れたようで感動しました! ただ、あとで聞いた話によると、風向きの関係で私側だけ全く桜が降ってなかったそうです。笑 ファンの方やメンバーからも面白かったよと言われたので、ならいっか!と思いました。笑

―目標である日本武道館へ向けてこれからは?
今回の浅草公会堂までの日々の中で、武道館に立つ夢に真っ直ぐ向き合ってきました。現実的に足りない部分がまだ沢山あることも知れましたし、自分達の今をちゃんと理解できた第一章だったなと。これからとしては、まずもっともっと多くの方に知ってもらいたいです。こんなに熱いバンドがいるんだよ!って伝えたいです。きみとバンドの音楽を変わらず貫いていって、変わらない部分を大切にしながらも、進化し続けていきたいなと思います!

大野真依 —————————————————————————————

―浅草公会堂ライブを終えてみての感想は?
今回はライブが無事に終わったのにどこかまだソワソワしている自分がいて。ここから日本武道館に向けてのスタートをいよいよ切った。終わりからの始まりという今までに無い不思議な感覚でした。ファンの方からも浅草公会堂ライブ後、日本武道館を一緒に目指そうという言葉を以前にも増して言っていただき良いライブが出来たんだなと安心したと同時にここから頑張るぞ!という気合いがさらに入りました。

―見どころは?
今回の浅草公会堂ライブは、初の特注衣装でした。やはりステージが大きくなるにつれ、照明や演出なども豪華にしていただくので自分自身もさらに輝けるように派手でお洒落な衣装を作っていただきました。きみとバンドは音楽的なところだけではなく、見た目も大事にしている部分が大きいのでぜひメンバーそれぞれの個性にあった衣装に注目して頂きたいです。

―目標である日本武道館へ向けてこれからは?
分かってはいるつもりですが、かなり厳しい現実が待っていると思います。なので今までやってきたSNSの活動をさらに何倍も頑張るつもりです。昔は音楽以外のことに力を入れると批判の声が上がることもありましたが、ここまで明確に「日本武道館に立つ」という目標をもてる事がとても幸せで例えどんな声があがっても気にならないぐらい私達には日本武道館しか見えていません。あの場所に立てる日までとにかくがむしゃらに走っていきます。

2023年3月18日
浅草公会堂
「Road to Budokan 第一章」

01. きみとバンド
02. スタートライン
03. はなればなれ
04. amulet
05. rosemary
06. きみとふたり
07. オレンジ色の世界
08. スローモーション
09. レリビ☆
10. さよならリフレイン
11. シャボン玉
12. 歌にのせて
13. きみが好き
14. 蝉しぐれ
15. あの場所へ
16. 恋のモンスター
17. ∞YAKEN
18. 春風問答

Encore
01. 東温ラブストーリー
02. rebirth


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