2024年9月28日、「きみとバンド」が、レコ発＆ 4th anniversary ツアー 3会場目となるワンマンライブを東京・赤羽 ReNY αにて開催した。ニューシングル「Thanks.」のお披露目、そしてバンド結成 4周年を記念して組まれた全国ツアー。名古屋公演、松山公演に続き、3会場目となった東京公演の様子をレポートする。
名古屋、松山に引き続き東京もソールドアウト。会場は超満員である。おそらくは地方からも集結しているであろう大勢の「きみ」達が集結。会場が暗転、SEと共にメンバーが登場すると、会場は大きな手拍子と歓声でメンバーを迎える。
東京公演 1曲目は「きみとバンド」。満員の会場、満面の笑みの「きみ」達は、手拍子で彼女達のステージに応える。この日、Ba.ゆきたんは体調不良のために欠席。ゆきたんの分もライブを盛り上げようと彼女達の気合も十分。真っ白な衣装に身を包んだメンバーは、その気合の表れでもあるのか、ステージ上の彼女達は、名古屋公演よりもフォトジェニックな姿（筆者比）で、バンドとしてのオーラが一段強くなったように見えた。その感覚はライブが進むにつれ、さらに強くなっていく。
Dr. 大野真依はステージ上と会場を見渡しながら、ライブ全体を形作っていくような気配りと共にきみとバンドの柱となり、ビートと空気感を作っていく。
Gt. Vo. 清原梨央はいつもの元気いっぱいな姿と同時に、ライブの度にギタリストとしてのカッコ良さが増している。華麗な、そして時にはクールなプレイを魅せ、会場を盛り上げていく。
Gt. Vo. 森田理紗子は、歌唱力は言うに及ばず、この日は思わず目で追ってしまうような存在感とオーラが。ステージ上の彼女の表情や仕草に、フロントパーソンとしての迫力が感じられた。
バンドとしてもさらに一歩強くなった、そんな気がした。
続く「スローモーション」で会場の熱気はさらに上昇、掛け合いでは腕を振り上げながら応える会場。曲が終わっても歓声が続くほど、この日のライブの熱気は既に MAXに達していた。
「きみとバンドです！ よろしくーー！！」
「東京待っててくれた？ ソールドアウト本当にありがとうございます！！」
ここで超満員になっている会場を見渡した清原梨央が一言。
「すごい・・・」
「最後まで安心安全で楽しんでいけたらと思っているので、皆さんよろしくお願いします！！」
会場からの拍手と歓声がこれまたアツい。
続いて「ローズマリー」へ。想いを込めて切々と歌い上げる森田理紗子、清原梨央。ここでの大野真依のドラミングは優しく、しかししっかりと、そして感覚的にはその演奏でステージ、会場全てを包み込むような包容力までが感じられ、この時のプレイに筆者はグッと来た。
中盤、ここからは森田理紗子のキーボード演奏で歌い上げるバラードパート。「ユメコイ」、「さよならリフレイン」と歌い上げる。森田理紗子のヴォーカルをじっくりと聴かせる曲、その歌唱力と感情の伝え方の上手さは言うまでもない。実はこのようなバラードの演奏において、キーとなるのはバックになるバンドサウンド。ライブは生き物であるだけに、その瞬間の空気に合わせた音を作っていく必要があるが、バラードはその良し悪しが出やすくなる。この日の彼女達はその点もきっちりとこなし、心地よい演奏と空気感を作り上げていた。ここでもバンドとしての強さが感じられた瞬間でもあった。
「今回は 4周年＆レコ発ツアーということなんですが、皆さんニューシングルは聴いてくれましたか？」
「タイトルが『Thanks.』なんですけど、4周年になった今だからこそ初心に帰って、
ファンの皆さん、スタッフさん、メンバーのみんなに感謝の気持ちを忘れずに、
頑張っていこうという気持ちを込めました」
次の曲はニューシングルにある、森田理紗子作詞による「こいごころ」。この曲はここ東京で初お披露目となった。ミドルテンポのメジャーチューンであるが、実は清原梨央のギターが活躍しまくるギターロックでもある。ニューシングルから「midnight scream」、「So High!」と続ける。ライブで見るのは 2回目となる「midnight scream」、この日もこの曲にシビれた。ハードな楽曲で王道なロックの展開、そこで見せる大野真依のハイテンポのドラムプレイは、曲のグルーヴを作り出す美しい展開を見せる。さらにロック・ヴォーカリストの顔を見せる森田理紗子の心地よい中高音域とロングトーンが、早いテンポの演奏との対比で美しく映える。そして清原梨央のステージングが見事であった。早いテンポに合わせた演奏をクールな表情で展開していくロックギタリストたる姿に魅了された。いい曲、そしていいバンドだ・・・
ここで清原梨央から「皆さんにお知らせがあります！！」
「来年の 5周年、Zepp 5大都市ツアーが決定しました！！！！」
なんと、福岡、大阪、名古屋、札幌、羽田の 5大 Zeppを制覇するという、インディーズバンドではおそらく初となる「Zepp全国ツアー2025」を発表。しかも全て日曜日に設定されているという。2022年8月20日、Zepp Hanedaで初 Zeppのステージを踏んだ彼女達。Zeppには思い入れがる、と語っていた彼女達。ついに、早くも 5大 Zeppを制覇するという偉業を遂げることになる。
大野真依が語る。
「これまでで一番大きな挑戦になるし、大変かもしれないけど、来年またあの Zeppのステージに自分達が立てているっていうことが本当に嬉しいし、夢にまた一歩近づいたかなって思います」
そしてその「夢」に向かった想いを込めた曲「あの場所へ」。この日の筆者の金縛りポイントはここ、しかもイントロだった。マイクスタンドを前にマイクを握り、演奏を聴きながら俯く森田理紗子。なんだこのオーラは・・・ ロック・ヴォーカリストとしての佇まいと「静」の美しさ、その姿に圧倒され、またも身動きがとれなくなった。そこからは 3人が作り出す「気」に圧倒され続けた。
その勢いのまま、清原梨央が会場を煽る煽る。
「あっという間で、ラスト 2曲となりました。まだまだ行けますか？！！！」
「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい！！」
「そんなもんじゃないですよね！ もっと行けますかーーー？！！！」
「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい！！」
「後ろのみんな行けますかーーー？！！！」
「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい！！」
「前の皆さん行けますかーーー？！！！」
「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい！！」
会場はとっくに熱量MAXを振り切っている。そしてお馴染みの曲「恋のモンスター」、「∞YAKEN」で会場全体が怒涛の如く突き進んでいった。会場の「きみ」達も最後とばかりに跳び跳ね、腕を上げ、手拍子でステージに応える。超満員となった東京公演、想像を超える熱量で汗だくになりながら、きみとバンドのステージは終了した。
もちろんこれでは終われない。即座にアンコールがかかる。大声援に迎えられてメンバーが再登場、このツアーお決まりのサプライズは Vo.大野真依。
「何を歌おうか考えたんですけど、今日 Zeppを発表して、今日がそのスタートの日ということで、以前に作っていただいた『スタートライン』という曲を歌いたいと思います」
そして大野真衣がセンターでヴォーカルを取る。会場は手拍子で応援。両脇にはギターを持った森田理紗子、清原梨央が満面の笑顔で演奏している。なんともほっこりとした瞬間だった。そしてアンコール恒例となったラッパー・清原梨央の登場「spicy!」。タオルを回しながらアクションと共にラップを披露する清原梨央。負けじと声を出し、全力でタオルを回す会場。
最後に森田理紗子から「きみ」達へのメッセージ。
「今日は大きな発表がありました。まだまだ不安なところもあるけど、いつもみんなが引き上げてくれて、前を向かせてくれるので、ここからもぜひ一緒についてきてください。」
「来年の夏は一緒に笑えるように、一緒にいてくれたらなって思います」
アンコールラストはしっとりと締める「蝉しぐれ」。じっくりと聴き込む会場。そして手を振りながらステージを降りるメンバーと笑顔の「きみ」達。こうして「レコ発＆ 4th anniversary ツアー」東京公演は終了した。
きみとバンドのライブは、見る度に成長と変化を感じられる。この日もそれを如実に感じることができたライブであった。来年は Zepp 5大都市ツアーも決まった。もちろん、今後の努力も必要なチャレンジでもある。彼女達なら、その壁もきっと超えてくれるに違いない。そんな彼女達の姿を追い続けたい。「あの場所」での再会を夢見ながら。
Photo: Official photo
Text: 大泉 繁
きみとバンド
「レコ発&4th anniversary tour」
2024.9.28 赤羽ReNY α
01. きみとバンド
02. スローモーション
03. rosemary
04. ユメコイ
05. さよならリフレイン
06. こいごころ
07. Midnight Scream
08. So high!
09. あの場所へ
10. 恋のモンスター
11. ∞YAKEN
Encore
01. スタートライン(大野真依)
02. spicy!
03. 蝉しぐれ
〇きみとバンド New Single「Thanks.」
1. So High!
2. Midnight Scream
3. こいごころ
・発売日 2024.08.04(日)~
・価格 1枚 ¥1,650-(税込)
・販売場所 名古屋ライブの物販よりライブ会場、イベント会場及びきみとバンド公式通販サイト（URL https://photoevent.shop/）で販売
○きみとバンド レコ発&4th anniversary ツアー
2024.10.13(Sun)北海道 札幌SOUND CRUE
2024.10.20(Sun)大阪 北堀江club vijon （ソールドアウト）
2024.11.04(Mon)福岡 福岡DRUM SON
・チケット販売
ローソンチケット：Lコード82416 https://l-tike.com/kimi-to-band/
インディーズガールズバンド史上初！
5th anniversary「Zepp全国ツアー2025」
○2025/6/22(日)@ Zepp Fukuoka
○2025/7/06(日)@ Zepp Osaka Bayside
○2025/7/20(日)@ Zepp Nagoya
○2025/8/03(日)@ Zepp Sapporo
○2025/8/17(日)@ Zepp HANEDA
○きみとバンド 公式 X https://twitter.com/with48263996
○大野真依 SNSリンク https://t.co/FVsAVG1kzh
○清原梨央 SNSリンク https://t.co/QsvTDLcK3V
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○ゆきたん SNSリンク https://t.co/W1inUkA7KC
