2016年2月29日、この日から絶叫する60度による朝練ライブ・東京定期公演「絶叫する桜丘」が始まった。ここでは、2月29日の vol.1、3月14日の vol.2を合わせてレポートする。
2月29日、うるう年の特別な日、しかも月曜日である。会場となる渋谷DeSeoには朝5:30から、多数のえっふー(絶叫する60度のファン)が詰め掛けるという異様な事態となった。外を歩いている人はほとんどいない。たまに通りかかる犬の散歩をする人。そんな時間に、渋谷DeSeoには屈強なえっふーが多数集結してい た。
SEが始まると一斉にフロアに寝るえっふー達。そして二人が登場する。もんてろが一言「やると思った」。そして開始の合図と共に立ち上がった全員で、
「おはようございまーす!!」
と、もんてろの絶叫でライブはスタートした。そして朝らしくラジオ体操の音楽が流れ始める。しかし音楽はすぐに止み、
「ラジオ体操なんかやらねーよ!!」
と、すぐさま1曲目「桜は二度散る、そして二度咲く。」に入る二人。一気にMAXまでテンションを上げる会場、朝一発目にリフトで宙を舞うえっふー。これが朝6時の絵である。ここから(いい意味で)地獄絵図とも言える狂乱の朝が始まったのである。そして、この日の音作りが極悪な仕上がり。半分寝ている身体に響く圧倒的な重低音。魁はアグレッシブなアクションとボーカルでステージを彩り、もんてろが文字通り命をかけた迫力で会場を煽る。会場のえっふー達は夜明けの妙なテンションのまま、2人のステージに対し、全力で立ち向かっている。明らかに今日、今週のことを考えていないが、それが正解である。
そしてここからのレポートは困難を極める。会場ではモッシュ@朝、ウォールオブデス@朝、リフトで空を飛ぶ@朝など、ステージ上の魁ともんてろ、そして会場のえっふー達の全員が、その時持てる力と精神力を全て使い、何かに向かっていたことだけが唯一書けることである。文末のセットリストを見てもらえれば、その狂乱ぶりが想像できるのではないだろうか。
「ここで声出して仕事頑張ろうぜーーー!!」
もんてろから煽られながら、その度にテンションがおかしくなっていく会場。唯一朝らしかったのは、16曲目「ラジオ体操第二」で会場全員でラジオ体操を行ったところ。しかし、その最中も「うぉーーい!」と声をかけながら体操するえっふー達。しかし、そんなひと時も途中で「絶叫ジャッジメント」のイントロでかき消され、再び狂乱状態に戻る。
こうして1時間を過ぎるがライブは終わる気配を見せない。この頃になると、会社に向かうえっふー達がスーツに変身してポロポロと会場を出始める。絶叫する60度に「いってらっしゃーい(絶叫)」と言われて建物を出るなんて、そうそう体験できるものではない。そして、 えっふー達にも明らかに疲れが見え始める。しかし、2人は全く力を緩めない。潰しにかかる 2人とえっふー達の戦い。
「後ろ、休んでんじゃねーぞ、この後仕事だからって関係ねーよ、現実見んじゃねーよ!」
そして終盤に繰り出された「大惨事ぼっち戦争」4連発。4回目には、えっふー達が会場で腹筋やスクワットを始める始末。全ての時間が狂乱のまま(朝6時から)、1時間半に渡った早朝ライブは「ナウシカレクイエム」に戻り、
「皆さん、行ってらっしゃーーい!!」
という朝の挨拶で宴を終了させた。ノンストップ90分、総曲数は26曲、しかもぼっち4連発という、凄まじい、絶叫する60度らしいライブとなった。
そして Vol.2となる 3月14日。やはり月曜朝6時である。この日も 1発目からスーパー全開の2人とえっふー達。「ナウシカレクイエム」、「桜は二度散る、そして二度咲く。」の定番で始まった狂乱は、休む間もなく炸裂を始める。「タイトロープドリーマー」では、もんてろが「モモあげしながら腕上げるぞ!」と煽り、続く「 逆襲という名の旋律」では「次はジャンプだ!」と、えっふー達に襲い掛かる。
「君をのせて」では会場中をえっふー達が駆け回り、会場の空気がぐるっと回ったのがわかるほどだった。そして会場中が肩を組んでヘドバンしている「ポニョ」、これはなかなか見られない光景である。続く「大惨事ぼっち戦争」では反復横飛びにスクワット。ここまで来ると明らかに遅れるえっふーも出てくる。そして、「次はね、面白い曲だよ」と言って始めたのは、この 3日前に対バンを行った「HERe:NE」の曲「なまはげきりたんぽ」。
狂乱のライブは続く。もんてろが会場を見回し、「疲れたかい? 顔疲れてるよ」と笑う。そんなことを気に留めず走り続ける魁ともんてろ。3回目の「大惨事ぼっち戦争」では、一人のえっふーが皆にリフトアップされて会場出口まで運ばれていく。そう、会社に出勤するのである。皆から「いってらっしゃーい!」と気合を入れられる。4回目の「大惨事ぼっち戦争」になると、明らかに疲れが見えるえっふー。しかしもんてろは緩めない。「頭ひねって面白いことしようぜ!」 その言葉に応じて会場を左右に走り回るえっふー達。一瞬の曲間に、魁が会場に向かって語り掛ける。
「ここにいるえっふーの皆も、普段は真面目に働いてたり、学生さんだったりすると思うんですよ。そんな人たちと、一緒に時間を過ごせて幸せです!」
そして朝練も終盤、Buono!の「初恋サイダー」を通常→高速バージョンと走り切り、最後に「ナウシカレクイエム」で vol.2を締めくくった。最後に 2人からえっふー達へのプレゼント。
「いってらっしゃーい!!」
こうして絶叫する60度による朝練ライブは終わった。絶叫する60度のライブ、レポートのように一見無茶苦茶には見える。しかし、えっふー達はしっかりと一線を保ちながら、ギリギリのラインで動くことを楽しんでいるようにも見える。しかし、決して冷めているわけではない。狂乱と理性をバランスさせながら楽しむその姿には、えっふー達の誇りが見えるようだった。
一日が、そして一週間が始まろうとする朝、その日のアドレナリンと全ての力を使いきり、渋谷の街に散っていくえっふー達。今日を、今週を無事に乗り切ってくれることを祈るばかりである。そう、自分も。
Text: 大泉 繁
絶叫する60度 東京定期公演「絶叫する桜丘 vol.1」
2016年2月29日(月)渋谷DeSeo 開場: 5:00 / 開演: 6:00
01. SE(ナウシカレクイエム)
02. ラジオ体操第一~桜は二度散る、そして二度咲く。
03. 三年days
04. 空蝉の花
05. タイトロープドリーマー
06. 逆襲という名の旋律
07. 絶叫ジャッジメント
08. 大惨事ぼっち戦争
09. 才の雨に撃たれて
10. Only Place We Can Cry
11. 君をのせて
12. となりのトトロ
13. ポニョ
14. 道化師のパズル
15. ナウシカレクイエム
16. ラジオ体操第二~絶叫ジャッジメント
17. 桜は二度散る、そして二度咲く。
18. 空蝉の花
19. となりのトトロ
20. 大惨事ぼっち戦争
21. 大惨事ぼっち戦争
22. 大惨事ぼっち戦争
23. 大惨事ぼっち戦争
24. 三年days
25. Only Place We Can Fly
26. ナウシカレクイエム
絶叫する60度 東京定期公演「絶叫する桜丘 vol.2」
2016年3月14日(月)渋谷DeSeo 開場: 5:00 / 開演: 6:00
01. SE(ナウシカレクイエム)
02. 桜は二度散る、そして二度咲く。
03. 三年days
04. タイトロープドリーマー
05. 逆襲という名の旋律
06. 才の雨に撃たれて
07. 空蝉の花
08. 君をのせて
09. となりのトトロ
10. ポニョ
11. 大惨事ぼっち戦争
12. 絶叫ジャッジメント
13. Only Place We Can Cry
14. 道化師のパズル
15. 桜は二度散る、そして二度咲く。
16. なまはげきりたんぽ
17. となりのトトロ
18. なまはげきりたんぽ
19. 大惨事ぼっち戦争
20. 大惨事ぼっち戦争
21. 大惨事ぼっち戦争
22. 絶叫ジャッジメント
23. 三年days
24. Only Place We Can Cry
25. ナウシカレクイエム
26. 初恋サイダー → 高速バージョン
27. ナウシカレクイエム
絶叫する60度 オフィシャルサイト
http://sixpercentismine.net/z60/