Administratorが12月10日(土)原宿ASTRO HALLにて東名阪ツアー「WINTER CIRCUIT 2011」のファイナル公演を行った。ワンマンライヴとしては今年5月に高田馬場AREAにて行われた自身初のワンマンライヴ以来ということもあり、会場には開演前から彼らに対する期待感が充満する。
そんな会場の空気を切り裂くように流れ出した幻想的なSE~芥(Vo.)のアカペラから披露されたのは、10月にリリースされた彼らの1st Album『CROSS』からのナンバー「Fall to Earth」。今までの彼らにはなかった壮大な楽曲からのスタートにファンも度胆を抜かれたのではないだろうか。しかしこれも彼らがこの1年で積んだ経験からくる自信なのだろう。
ファンを瞬く間に飲み込むと、「さぁ原宿、ここにいる全員で解放しようぜ!」という芥の号令から一転攻撃的なナンバーを次々とお見舞いしていく。開始早々彼らのこのライヴに対する意気込みを強く感じた、そして憎い位にライヴ運びが巧みだ。持ち曲を自在に組み合わせての緩急の付け方がハンパではない。また『CROSS』の楽曲達が加わったことで、新旧の楽曲がお互いを照らしあい、Administratorというバンドの厚みをさらに増させている。特に中盤では全く別のバンドなのではないかと思うほど様々な顔を見せ、これこそが“今の”Administratorだとファンに強くアピールする。
「踊り明かしましょう!」という言葉と共にスタートした「パーティードレス」ではきらびやかな楽曲をちょっぴり毒のある歌詞で軽快に歌いあげる芥にファンにも自然と笑顔が溢れ、「again」では切ない楽曲をそれとは裏腹な熱いパフォーマンスで奏でる彼らに会場からは自然と大きな拍手が起きる。こんな“聴かせる”一面を見せるのもワンマンならではといったところだろう。
そして本編終盤はまさにAdministrator得意のブロック!彼らの持つ楽曲の中でもピカイチのキラーチューンを投下。その選曲にここでそうくるか!と言わんばかりに、ファンも終盤にも関わらず大爆発! 「手を挙げろ凡人共!」という号令でスタートした「an ordinary person」では、彼らが1回目のライヴから必ず演奏し続けているだけあり、貫禄めいたものを感じた。この曲にAdministratorの全てが凝縮されているといっても過言ではないと思ったし、この曲を演奏している彼らは神懸かってカッコ良かった。
ASTRO HALLの季節のみ先に進めた彼らは、名残惜しそうにファンに送られながらステージを降りた。テンションを上げに上げられたファンが本編のみで満足する訳もなく、大音量で彼らを呼び続ける。再度ステージに上がった彼らは翌日12/11がAdministrator3周年の記念日だということを告げ、ファンとその喜びを分かち合う。そして芥の「3周年ということで僕たちの始まりの曲をやります!」という言葉と共に演奏されたのは彼らにとって、初の音源である「SELFISH CLOVER」。3年という月日を経ても色褪せない部分と彼らが進化したことによる曲の進化、その2つが見事に融合していた。
アンコールのMCではメンバーそれぞれがこの日を迎えられたことに対する感謝の気持ちを口にする。その想いを託すように最後に披露されたのは「無力なてのひら」。ファンとの繋がりを“繋いだ手”に例え、それを離さぬよう、祈りを込めかのような演奏でAdministratorの2011年最後のワンマンライヴは幕を閉じた。
“集大成”という言葉しか見当たらないライヴだったと思う。龍(Dr.)がMCで言ったように、彼らは今年初のワンマン、初のフルアルバムリリース、そして各種イベントへの出演などバンドの歴史の中でも間違いなくターニングポイントとなる1年を過ごしてきた。その全てがバンドの血となり、肉となり、そして自信となり彼らは新たな年へと向かっていくのだ。一体一年後の彼らはどのようになっているのだろう? 今日ライヴに足を運んだ誰もがそう思っただろうし、彼らそんな予想を遥かに超えてくるに違いない。2012年もAdministratorから目を離さないで欲しい。そして彼ら音楽が紡ぐ、ファンとの“繋いだ手”はさらに大きな輪となるだろう。
Photo: 洲脇理恵
【Administratorイベントスケジュール】
12/31(土) 六本木ラフォーレミュージアム
stylish wave COUNTDOWN ’11-’12
2012/1/8/SUN 江坂MUSE
SPEED DISK PRESENTS~森羅万象 New Year Circuit 2012
2012/1/9/MON 名古屋E.L.L
SPEED DISK PRESENTS~森羅万象 New Year Circuit 2012