2012年2月25日鹿鳴館。「-battle hymns-」と名付けられたライブが開催された。伝統ある鹿鳴館で日本の HR/HMを代表するメンバーが集結、その圧倒的な実力を満員の観客に見せ付けた。出演バンドは、TerraRosaの赤尾和重、鈴木広美率いる新 HeavyMetal楽隊「Kruberablinka」(クルベラブリンカ)、CONCERTO MOONの現ボーカル・久世敦史率いる「Screaming Symphony」、元BLIZARDのボーカルセイジロウ率いる「爆撃王~バクゲキング ~」、そして DIABLO GRANDEでも活躍する高谷”ANNIE”学率いる重鎮「Blindman」である。その中から今回は、現在仙台を中心に活躍している「爆撃王~バクゲキング ~」のライブレポートをお届けする。
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3バンド目に登場した爆撃王、オープニングナンバーはテーマ曲とも言える「BAKUGEKI」。ガッチリとしたリズムを作り出すドラム・Ryo-Taとベース・out-low。このリズムセクションが作り出すミドルテンポの重厚なグルーヴは、ゾクゾクするほど身体に届いていた。昔と全く変わらない伸びやかな高音とビブラートを披露するボーカル・セイジロウのステージングは圧巻である。BLIZARDをリアルタイムで聴き、バンドでコピーもしていた筆者にとって爆撃王・セイジロウのステージは特別なものであった。「BA・KU・GE!」というキメに合わせてアクションをとるセイジロウのカッコ良さ。その魅力は完全にクセになる。
鹿鳴館に爆撃王の音が響き渡る。ハードなバッキングにメロディアスなボーカルを載せる爆撃王の楽曲は、変わらぬジャパメタの美しさを奏で続ける。その一翼を担うのがギターの二人の活躍である。テクニカルなソロを含めて楽曲に華を添える KONTAと、ガッチリと裏でリフを固めるハヤト丸、そして二人のツインでのハモリなど、ツボにはまった HRの魅力が満載である。バラード曲「子守唄」では、セイジロウの感情溢れる歌声を、会場中の観客が一心に聴き入っていた。そして、爆撃王は現在レコーディング中であることが発表された。音源のリリースを待っているファンには待望のプレゼントになるはずである。そして、再び鹿鳴館でのライブも実現するかもしれない!?
ラスト曲は印象的なリフとともにノレる HRナンバー「SHOUT!」。この曲ではお約束とも言える観客との掛け合いも楽しいところ。サービス精神満点の爆撃王のライブの楽しさは、ライブに来た方だけの特権である。その楽しさを感じに、ぜひライブに足を運んで欲しい。様式美にも通じるロックの魅力を届けてくれた爆撃王。ウマい、楽しい、カッコイイ。今後のライブ、音源リリースと、広がるその活躍をぜひウォッチして欲しい。
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この日のバンド名、メンバーを見て、懐かしく思う往年のファンは多いであろう。どのバンドも、日本のロックシーンの一翼を担ってきたバンド、メンバーである。しかし、この日のライブは昔を懐かしむライブではなかったことを断言する。音楽シーンに身を置き続けることは、常に進化を要求される。それぞれの圧倒的な実力と観客を大切にするサービス精神を礎に、常に時代から刺激を受けながら、どのバンドもどのメンバーも「現在」の音楽、バンド、楽曲を体現していた。その上で、音楽シーンの変遷に惑わされることなく自らが信じる音楽を貫き続けること、その輝きと圧倒的な迫力、流行り歌だけではない日本の音楽の歴史、奥深さ、魅力をを全身で感じたライブであった。音楽を続けることの尊さと、そこから生まれる共感。それが音楽が生み出す魅力の一つであろう。
Text: 大泉 繁
爆撃王【バクゲキング】
Vocal:セイジロウ(ex BLIZARD)
Guitar:KONTA
Guitar:ハヤト丸
Bass:out-low
Drum:Ryo-Ta
1980年代後半に活躍し、現在活躍する様々なBANDに影響を与えたと云われる伝説のハードロックバンド『BLIZARD(ブリザード)』元ヴォーカリストの
セイジロウ(下村成二郎)が仙台で結成した正統派ジャパニーズハードロックバンド。
仙台を中心に、東京、名古屋、大阪等、迫力のLIVE活動を展開中!
2012/02/25(SAT)
目黒鹿鳴館
-battle hymns-
ACT: Kruberablinka / Screaming Symphony / 爆撃王~バクゲキング ~ / Blindman
爆撃王~バクゲキング~
set list
1. BAKUGEKI
2. DEAD OR ALIVE
3. WAR
4. 子守唄(komoriuta)
5. BLACK NIGHT
6. SHOUT !