2015年2月3日(火)、AKiがTSUTAYA O-EASTにて『AKi 1st Solo LIVE “A Feeling Begins to Arise”』を開催した。昨年12月、「正体不明の新人」としてデジタルフリー・ダウンロードシングル「FREAK SHOW」を配信、後にそれが自身のソロ楽曲であることを発表したシドのベーシスト・明希。それと同時に、ソロアーティストAKiとして、1月28日に1stフルアルバム『ARISE』にリリースすること、そして、2月3日に1stソロライブを開催することを発表し、多くのリスナーを驚かせた。AKi本人が作詞・作曲はもちろん、ヴォーカルまでをも務め、多彩なロックサウンドを閉じ込めた1stアイテムを携え、彼はどんなステージを見せてくれるのだろうか。ちなみに、ライブ当日はAKiのバースデイ。瞬く間にチケットがソールドアウトとしたTSUTAYA O-EASTは、開演前からオーディエンス達による期待と熱気が立ちこめている。
19時2分、会場が暗転。大きな歓声が上がり、SEに合わせてオーディエンス達のクラップが巻き起こる。ブルーのライトが点滅を繰り返す中、この日のサポートメンバーである、宮上元克(Dr./THE MAD CAPSULE MARKETS)、加藤貴之(Gt./兎-usagi-)、佑聖(Gt./THE KIDDIE)の3人がステージに登場。そして、ベースを片手に持ち、ステージ中央に置かれたマイクへ向かってゆっくりと歩いていくAKiの姿に、大歓声が送られた。
記念すべき1stライブの幕開けを飾ったのは「ジウ」。ダーティーなラウドサウンドに、しなやかなメロディーが絡み付くこの曲を、ベースをかき鳴らしながら伸びやかに歌い上げると、続けて、USロック色の強い骨太な「Be Free」を熱量たっぷりにドロップ。ライブは序盤から凄まじい勢いで疾走し始めた。そして、「今日はこのステージから最高のロックンロールをお送りしたいと思ってますんで、どうぞ最後までよろしくお願いします!」とフロアの興奮を更に煽り、「FREAK SHOW」へ。ヴォーカルとして歌に徹しつつも、彼らしいセクシーで華のあるベースプレイも健在。オーディエンス達も拳と叫び声を上げ、AKiが放つロックサウンドを全身で堪能している。
「昨日の夜、SEが鳴って出て行ったら、客席に誰もいなかった夢を見た」というAKiのエピソードを挟みつつ、ライブはミディアムナンバーが並ぶ中盤戦へ。感傷的なサウンドが胸を打つ「LOOP」では、ファルセットを交えながら、マイクスタンドを握りしめ、熱の籠った歌声をしっかりとフロアに届けて行く。また、音源ではアコースティックギターのみで構成されていた「pray」は、後半パートをバンドサウンドにアレンジ。ぐっとスケール感が増し、壮大なものへと姿を変えていた。
また、オーディンス達のクラップが彩った「Path of Light」の後、AKiとドラムの宮上元克の2人がリズムセッションを繰り広げる場面も。煽動的なシーケンスと共に、ダイナミックなサウンドとパフォーマンスでフロアを熱く盛り上げた。そして、「ここで1曲カヴァーやります!」と、NIRVANAの「Breed」を強烈な轟音で披露。その勢いのまま「Life is…」「Brave New World」を、そして、ギラギラとした危険な匂いが立ちこめる艶やかなキラーチューン「ミッドナイト/狂騒/DARLING:」を激しく叩き付け、本編を終えた。
アンコールの声に応えて再びステージに登場すると、「申し遅れました、AKiです」と挨拶。改めてフロアからは大きな拍手と歓声が送られた。そして「なんか、いい歳こいて誕生日にライブやるのは恥ずかしいなと思ったんですけど……」と照れくさそうに話し始めると、ギターの加藤貴之が突如「Happy Birthday to You」を弾き始め、サプライズでバースデーケーキがステージに運び込まれた。オーディエンス達も大合唱と祝福の声を送っている。驚いたAKiは、一瞬感極まりそうになりつつも、「誕生日にライブやるのもいいもんですね(笑)」と、笑顔を見せていた。
AKi「自分の名義でやるにあたって、いろんなことを考えたんですけど……なんか、難しいことは言えないんだけど、思ったことをひたすらガムシャラに一生懸命やるのって、すごいカッコいいんじゃないかな?って思ったところから(ソロワークを)始めていて。そうやって作った音楽を、今日、みんなが歌ってくれたり、聴いて来てくれて、本当に感動しました。どうもありがとう。これからも変わらずに音楽を作っていくので、どうぞよろしくお願いします」 そして、サポートメンバーの紹介を終えると、「心から感謝の気持ちを込めて」と、「tonight.」を披露。ドラマティックなミディアムバラードで、AKiとしての1stライブを締め括った。
約80分のステージでありながら、鮮烈なインパクトを残したAKi。会場のオーディエンス達が「もっと観たい!」と叫んでいたように、この日彼が見せたパフォーマンスは、今日が1stライブだとは思えないほど素晴らしく、「これからも変わらずに音楽を作っていく」と話していたAKiの今後の音楽人(もしくはいちミュージシャン)としての活動に期待したい。
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