一週間連続イベント「tkmk 爆女祭」vol.0~渋谷編~も六日目。この日が終わればファイナルを残すのみとなる。長かったようであっという間の一週間。ラス前、六日目の速報レポート。
トップバッターは「MUTANT MONSTER」。ガールズロックシーンでは長い歴史を誇る彼女達のステージは圧巻である。Ba./Vo. BE、Gt./Vo. MEANA、Dr./Cho. CHADのスリーピースから放たれる、ストレートでグイグイと押し続けるロックは爽快である。ほとんどMCをはさまず、髪を振り乱しながら速いテンポで楽曲をたたみかけ、観客も負けじとそれに応える。彼女たちの特徴の一つが BEと MEANAの楽曲の中での言葉の応酬。MUTANT MONSTERならではのテンポ良いステージングで観客を魅了し、現在の彼女らの代表曲とも言える「GIRL’S FIGHT」で会場は最高潮の盛り上がりを見せ、トップバッターの重責を見事果たした彼女達であった。
二番手は「もちとちーず」。このイベントでは貴重な 5人組のアコースティックガールズユニットである。その実力は折り紙付き。メンバーは Vo.湊あかね/村上瑠美奈、Key. 岡村明奈、そして BAND-MAID®でも参加した Gt. 遠乃歌波、カホン/Per. 廣瀬茜。「心にくっついて離れない」餅とチーズのような音楽を身上とするユニットである。アコースティックで奏でられる美しい楽曲と歌声で、会場の雰囲気は一変。美しいハーモニーと感情がこもった歌唱と、それを支える柔らかな楽器の音色が会場に鳴り響き、幻想的な空気となった。歌詞を一つ一つ、じっくりと聴かせるアコースティックならではのステージングで、これまでとは違った空気で会場を包み込み、観客もそれに酔いしれていた。見事なパフォーマンスであった。
そして三番手に Caramelの登場。この日も彼女達は元気いっぱい。「tkmkセンセ-ション」では、観客は待っていましたとばかり、満を持してタオルをちぎれんばかりに振り、ステージの彼女達に応える。それを笑顔で受け止めるメンバー。六日連続となる出演だが、メンバー、観客ともにパワーが落ちている様子は微塵も無い。ライブはその瞬間瞬間にしか存在しない、だからアーティストは必死で観客に向かい、観客はそれを受け止め、それ以上の力でステージに何かを伝えようとする。そんなライブの楽しさを Caramelのステージは毎回見せてくれる。その意味で、Caramelはアーティストの一員として立派に役割をはたしているように見えた。そして、ラストの「恋愛少女2」で持てる力を全て出し尽くし、Caramelは六日目のステージを終えた。
四番手は「Booing!!!」。Vo. YURICA/LUCAの 2人のユニットに、バンドメンバーを加えた布陣で、元気いっぱいのパフォーマンスで会場を煽る。日本サッカー応援コンピをきっかけにして結成されたユニットであり、ステージでも青色の衣装や光で、スポーツの躍動感を見事にステージで表現していた。テンポのよいアグレッシブなバンドの演奏に、2人のヴォーカルは全く負けずに、さらに観客を煽り、一緒に歌い、会場をどんどん Booing!!!色に染めていった。2人の力強いヴォーカル、そしてステージングの魅力は、ライブという形で的確に観客に伝わっていたのではないか。ライブバンドとしての力は十二分に持っている彼女達。今後の活躍も楽しみである。
トリは「がんばれ!Victory」。「絶対生音主義」をテーマとする佐賀県出身のガールズバンドである。笑顔いっぱいで登場した彼女達は、若いメンバーにも関わらず、貫禄あるステージできっちりとした演奏を観客に見せつける。メンバーは Vo.あやき、Gt. れな、Gt. みなみ、Ba. しのぶ、Dr. まゆこの 5人。ステージから発せられる音、歌声、アクションは、長い経験に基づく堂々とした演奏であった。観客との掛け合いも笑顔で会話しており、その実力とともに、確実にガールズバンドの一角を占めるその姿をまざまざと見せつけられた。本当に見事に成長したな、と感慨深くステージを見ていた。というのも、筆者は 3年前、彼女たちが初めて東京で行ったライブに参加し、レポートを書いていたのである(レポートはこちら)。彼女達もこれからもっともっと成長するはずである。その過程を見ることができたのはやはり嬉しいものである。
ついに六日目が終了した。明日が一週間最後の日、七日目である。イベントが終了した時、そこに何が残っているのか、何が生まれているのか。誰も到達したことのない道の先端に、明日到達することが決まっている。そこに見える景色はどんなものなのか。身をもって体験したいと思う。
Text: 大泉 繁
tkmk 爆女祭 vol.0~渋谷編~ オフィシャルサイト
http://www.bakuonsai.com/