2016年5月9日、目黒鹿鳴館で「叫べ!爆女祭vol.2~目黒編~」の初日がスタートした。7日間連続開催という怒涛のこのイベントは、昨年5月 渋谷CLUB CRAWLでの「tkmk爆女祭vol.0~渋谷編~」から始まり、昨年11月 同じく渋谷CLUB CRAWLでの「tkmk爆女祭vol.1~渋谷編~」、そして12月 新宿ReNYでの後夜祭編を経て vol.2へと進化。今回の主催は前回vol.1で Caramelと共同主催を行った CREAが単独で務める。このイベントから注目、話題を集めるようになったガールズバンドも多数出てくるなど、シーンを占うには外せないイベントに成長してきた。今回 vol.2のレポートは、長澤氏のオフィシャルレポートと MROCKS9のダブルヘッダーでお届け。色々な表現を楽しんで欲しい。MROCKS9も爆女祭モードに切り替え、私的叙情的な MROCKS9流でいこうと思う。
初日の興奮を待ちきれない観客達、会場が暗転するとその期待を抑えきれずに叫び、ステージを見つめる。待ちに待った爆女祭がついに始まった。トップバッターは「Quince」。若さ溢れる元気いっぱいの登場。1曲目から会場は声を合わせて彼女達の演奏を受け止める。開演前は静かだった空気が、演奏が始まるやいなや一気に温度は急上昇。激しいビートを放ち続ける彼女達に煽られるように、会場は高々と腕を上げ、叫び続ける。激しいリズムをバックに、にこやかな笑顔でド迫力の演奏を続ける彼女達。「名古屋から来た Quince です! 初日のトップバッター、盛り上げていくんで、みんなで楽しむんだー!」 ステージからの煽りに応えて一斉に腕を振り上げる観客。「私達は私達がやりたい音楽をライブで伝えてます。ラストの曲、もっと楽しんでいこーぜー!」 アップビートな彼女達の攻めは最後まで変わらず、頭を振りながらリズムを楽しむ観客、そして高々と手を上げてステージにメッセージを送り続ける。ラウドなサウンドにポップセンスを織り込み、グイグイと攻め続けた Quince。気づけばもうラストの曲、観客も目いっぱいそのサウンドを楽しんでいた。
「三年days」のアカペラでスタートした「絶叫する60度」。静寂を保ち、耳を傾ける会場。イントロが始まった瞬間、会場は一気に声を上げて全力モードへ。ゼロからいきなり最大出力を叩きだす会場のパワーは圧巻であった。「桜は二度散る、そして二度咲く。」では、柵が壊れそうになるほどのヘドバンを見せる。ステージ上の二人の運動量もそうだが、観客達の動きはアスリート並み、ついにはスピニングリフトも炸裂する。「まだまだ熱が足りねーぞー!!」と煽るもんてろ。「ラブレター」ではモッシュで身体をぶつけ合い、続く「才の雨に打たれて」では、美しいメロディとハーモニーを聴かせる魁ともんてろに対し、ステップを踏んで身体を動かし、肩を組んで回り始める。2人はノンストップで攻め続ける。ミドルテンポでメロディアスな「道化師のパズル」でも、身体の芯まで届く重低音、そのサウンドに身を委ねるように身体を揺すりながらステージを見つめる観客達。ラストは「Only Place We Can Cry」。この日も見せてくれた会場の全体攻撃。肩を組んで力いっぱいのヘドバン。キメのリフトをきっちりと決め、ステージと共に会場を、ライブを作っていく。このサウンドと2人の歌声は本当にクセになる。いつまでもこの爆音の中にいたいと思わせる、絶叫する60度の 2人だった。
ステージ中央のDJが奏でるサウンドをバックに登場した「hy4_4yh」(ハイパーヨーヨ)。「難しいことは言わねー! ジャンプしてくれー!!」と一気にテンションをブチ上げる二人。この日も彼女達の言葉の洪水が会場を駆け巡る。その洪水の中を腕を上げながらジャンプし続ける観客達。頭を激しく振りながら踊る 2人に、会場全体の躍動感が上昇し、その姿に呼応するように会場の熱気もグングンと上がっていく。アグレッシブな 2人のアクションに応えて手を振り、ジャンプする観客達。「爆女祭、今日から7日間始まります! 誰のファンとか関係ない、この時間一緒に盛り上がってくれる人、手を上げてー!!」と会場を煽る。リズムとワードが絡み合い、シャープなアクションと共に限界なくアガっていくステージ、そのグルーヴがダイレクトに会場に伝播し、観客達も身体を動かし続ける。彼女達の魅力が炸裂するアッパーチューンを次々に会場にお見舞いする。5/28の 10年記念ライブの告知を行い、ラストへと突入していく。ラストは「ティッケー大作戦!~YAVAY」。hy4_4yhの真骨頂、アッパーチューンに激しいアクション、そしてまさにヤヴァイ言葉の洪水に会場のテンションは MAXを超えていく。ステージのハイテンションがそのまま伝染するように身体を動かし、踊りまくる会場。彼女達独特に世界を鹿鳴館に展開し、hy4_4yhのステージは終了した。
Dr.Mikuのバスドラのリズムで幕を開けた CREAの初日。次に Ba.Hirokaが登場してベースラインを奏で、続いて Gt.Aiko、Vo.Nakiが登場して1曲目「Last Dance」になだれ込む。一瞬にしてステージは CREAの色に染まり、会場はステージに引き寄せられていく。そして、この日のクレアリストも普段とは違う気合の入り方のように見えた。爆女祭の主催、とにかく CREAを盛り上げようと、会場の空気を作ろうと、その想いをフロアで爆発させる。そしてさらに観客の熱気を加速させるように、次の曲は「REASON」。この曲で会場の勢いが一気にヒートアップした。イントロでの会場からの掛け声は唸りを上げるような迫力で会場を覆う。「Flap×Slap!」では会場全体が腕を上げてジャンプを続け、途中のベースソロではダブルバスと絡んで心地よい重低音を響かせる。「これから7日間、叫べ!爆女祭、最高の出演者と最高のステージを作っていくので、最高のオーディエンスよろしくー!!」 そして 5/31 渋谷DeSeoでは完全燃焼・速い曲しかやらないワンマンをやる告知。後半もトバしていく CREA。前回のワンマンで初めて演奏した新曲を爆女祭初日に披露する。そしてついにラスト「GO+AHEAD」へ。この日のラストで見せた彼女達の気迫に、爆女祭への彼女達の想いが表れていたように思う。会場全体が肩を組んでのヘドバンにも、クレアリストの気迫がこもっていた。「怒涛の一週間がこれから始まります! 最高の一週間にしていきましょう!!」 フロアに深々と頭を下げ、CREAはステージを去った。これから7日間を走り続ける彼女達。7日後にはどんな姿を見せてくれるのだろう。
爆女祭初日のトリは「LoVendoЯ」。ギターのイントロで始まった彼女達のステージは、ロック色の強い「イツワリ」で会場の空気を引っ張る。観客は 1曲目から腕を上げて全力のコ-ル。LoVendoЯらしい華やかなライブがスタートした。いつも LoVendoЯのライブで悩むことがある。4人とも見たい。しかし同時には見られない。フロントに立つ田中れいな、岡田万里奈のボーカル 2人に目を奪われるのはもちろん、それぞれのプレイスタイルを持つギター・魚住有希、宮澤茉凜 2人も見ていたい。が同時には不可能なわけで、この日も悩みながらステージに目を走らせた。「こんばんはー! LoVendoЯです!」と元気良く会場に笑顔を向ける彼女達。「爆女祭、トリをやらせていただきます! タイトル通り、喉がイカれるくらい叫んで、楽しんで帰ってください!!」 そして「渚のシチュエーション」、「いいんじゃない?」とポップな曲が続く。青く光るサイリウムとブレスが会場を舞い、腕を上げてコール、そして一緒に歌う観客達。ここで母の日にちなんだトークで会場を和ませる彼女達。その話の持って行き方、会場を巻き込むMCはさすがであった。そしてステージは後半戦、「普通の私 ガンバレ!」でフロントの 2人と一緒に左右に手を振り、サビではジャンプしながら共に歌う観客達。全国ツアー中だという彼女達。そのタイトルについて、「別行動していた時期が過ぎて、久しぶりに4人で力を合わせてやろう!っていう気持ちを込めて『POWEЯ!』にしました!」 そしてラストは「仲間を思いながら聞いてください」と、しっとりと「宝物」を披露。宮澤茉凜がアコギを手に、しっとりと歌うラスト。観客はじっとステージを見つめながら、その歌声に酔いしれていた。「みなさん、ほんとに楽しかったです! ありがとうございました! LoVendoЯでしたー!!」 会場からは満場の拍手と歓声。華やかな余韻を残して、LoVendoЯのステージ、そして爆女祭の初日が終わった。
ついに始まった 7日間の戦い。出演者、フロアの観客、そしてスタッフ。全員がこの長い戦いに挑み始めた。それぞれが何と戦うのかは様々であろう。今回の爆女祭の進化はま だまだこれからである。7日間のイベントの中でどんなものが生まれるのか、ぜひ、その目で見届けて欲しい。
Text: 大泉 繁
「叫べ!爆女祭vol.2~目黒編~」1日目
2016年5月9日(月) 目黒鹿鳴館
Quince
01. Voice
02. ability
03. WHITE
04. Still
絶叫する60度
01. 三年days
02. 桜は二度散る、そして二度咲く
03. ラブレター
04. 才の雨に撃たれて
05. 道化師のパズル
06. Only Place We Can Cry
hy4_4yh
01. LOVE GENOME
02. KUNFU
03. HOLE!
04. B-BOY
05. DAYONE
06. ティッケー・オン・ザ・ビーチ
07. ティッケー大作戦!~YAVAY
CREA
01. Last Dance
02. REASON
03. Flap×Slap
04. 新曲タイトル未定
05. GO+AHEAD
LoVendoЯ
01. イツワリ
02. 渚のシチュエーション
03. いいんじゃない?
04. 普通の私 ガンバレ!
05. 宝物