URCHIN FARM、ツアーファイナル完遂! 未来に向かって走り続ける!

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2016年5月22日、下北沢ReGにて「URCHIN FARM『By Blue』release tour ~バイブる!? ツアー 2016 ファイナル ONE MAN LIVE~」が開催された。今年 2月にリリースしたミニアルバム「By Blue」を引っ提げ、レコ発ツアーを全国10ヶ所で開催、そして下北沢ReGにて ツアーファイナル ワンマンを迎えた URCHIN FARM。チケットは早々にソールドアウト。超満員となった下北沢ReGには、この日を心待ちにしていたファンの期待が渦巻いていた。SEが流れ始めると、ファンは待ちきれないようにその期待を歓声に変えてステージにぶつける。そして大歓声で迎えられるメンバー。会場は早くも狂乱前夜の様相を呈していた。そして、「Mr.Holic」でついにツアーファイナルの幕が開いた。

新加入となった Dr.浅野智基がガッチリとタイトなドラムを会場に届け、Ba.SHITTYが表情豊かに会場を煽りながら重低音を奏でる。その基盤の上に Gt.師崎洋平(通称「モロ」)が印象的でキャッチーな単音リフを組み合わせながら楽曲にドライブをかけ、Vo.Gt.矢澤壮太がそのドライブを加速させるように次々に言葉を乗せ、笑顔で熱唱する。会場は全員で手を挙げ、身体を動かし続ける。間髪を入れずに「ワレワレハ地球人デアル」、そして「プレーン人間」と続く。ここで早くも会場との掛け合いを楽しむ彼ら。ここで早くも URCHIN FARMの世界に連れて行かれていることに気づく。そう、URCHIN FARMのドライブ感に心が持って行かれている。ドラムもベースもギターもボーカルも、全てがドライブしているのだ。このドライブ感、そしてこのハッピーな雰囲気は何なんだろう。そして会場へのメッセージ。

「『By Blue』を出して、ツアー10本回ってきて、今日はみんな知ってるね?」

「ファイナール!!」

観客も声を合わせ、拍手でファイナルを祝う。

「このツアーでは色んな人に会って、色んな楽しい思い出ができました。そこでもらった色んなパワーを、全部ここに置いていこうと思ってるんで、最後の最後の最後まで!」

「楽しんでいってください、ヨロシク!!」

ここから URCHIN FARMの楽しみの一つ、モロのMCに入る。詳しくはライブに足を運んだ方達のみの特典として、ここでは項目だけを記そう。「今日は何の日」、この日はガールスカウトの日、国際生物多様性の日、サイクリングの日。サイクリングから天才的な繋ぎで次の曲「OH YEAH」へ突入する URCHIN FARM。見事だ・・・ ここから再び会場は音の塊に支配され、観客は心地良くそのグルーヴに身をまかせていた。さらに「Fallin’ DANCE」をたたみ掛け、ステージから音の塊が次々に飛んでくる。徐々に会場は全体が大きな塊になるようにドライブし始める。そして曲が終わってもリズムは途切れない。ここで「ゲスト呼びまーす! 元サヤです! 前のメンバーを呼んで奇跡の一日にしたいと思います!」 そしてなんと、key.○貴こと MAL(undervár)を呼び込む。「今から起こることをマブタに焼き付けていってください!」と、ピアノ入りの「Fallin’ DANCE」を会場に届ける。さらに「Role-playing」と続け、ピアノの旋律が絡みつきながら、さらなるドライブがステージから次々に放たれてくる。観客はこの絵とこの音を、一瞬たりとも見逃さない、聴き逃さないとばかりに全身で受け止めていた。ピアノが入った URCHIN FARMを披露したモロが一言。

「どう?」

ここで MALとの出会いや思い出を話すモロ。MALからも「MC キレッキレやな」と評されたMCを経て、「今日は色んな俺達を見て帰ってください。普段やらない曲をやります」として始まったのは「Billy」。ゆったりとしたリズムとピアノの美しい曲。決して激しいノリで攻める曲ではないが、この曲のパフォーマンスには度肝を抜かれた。独特なグルーヴに乗って歌う壮太の繊細な歌声と説得力。ステージから URCHIN FARMという波が押し寄せるように、会場がその空気にどんどん染まっていく様は圧巻だった。そして「9′ oclock」へと続く。全てが美しく優しいサウンド。智基は静かなメロディを活かすような細かい細かい気遣いをしながら演奏を続ける。美しくきらめく曲を終えると、「SERRURIA」で再びビートに乗ってたたみ掛ける URCHIN FARM。大きく手を挙げて応える観客は、この空間で音に包まれていることが本当にハッピーなんだ、そんな笑顔でステージを見つめていた。

そしてモロのMCはここでも絶好調。新加入となったDr.浅野智基を紹介、智基がどれだけカワイイかを力説するモロ。カワイイを引っ張っていたにも関わらず、「やめない? オッサンのカワイイ自慢」と強引に締めに入る。ここから、MALと智基のセッションが始まり、ドラムとピアノの絡み合うパフォーマンスに、観客は釘付けとなる。そのまま「Angie Code」へとつなぎ、観客と共に楽曲を楽しむメンバー達。ここで気付いたことが一つ。智基の華麗なスティックさばきが見事なことはもちろんだが、リズムキープがとてつもないレベルで行われていることに気づく。手数の多い複雑なフィルを随所で入れても、他の楽器と共にジャストに戻ってくる気持ち良さを筆者は楽しんでいた。そして次の曲で MALが最後の曲となり、観客は手拍子で MALに対して気持ちを送り続ける。そして次の曲は「MUSIC」。観客は飛び上がりながらの手拍子。タイトな智基のドラムに MALのピアノが絡みつき、壮太のエモーショナルなヴォーカルが会場を包む。随所でアクセントを入れて曲を締める SHITTYのベースに、モロのギターが華やかに彩っていく。そして強烈なドライブ感。これが URCHIN FARMだ。ここで壮太がアルバム、ツアーについて語り始める。

「ミニアルバムを作って、ツアーに出て、みんなにどうやったら楽しんでもらえるか、本当に考えて考えてやってきました。色んなことやって、結構大変だったんですよ(笑)。でも、URCHIN FARMをやるってこういうことなんだなって思ったし、サイコーに楽しかったです。ありがとうございます!」

「僕達は一度活動を休止して、メンバーそれぞれが違うところで活躍していました。それはとてもいいことだなって思ってたんです。でも一つだけ心残りがあって、URCHIN FARMをずっと応援してくれた人を裏切ってるんじゃないかと、ずっと心にひっかかってました。再開してこうしてたくさんの人に見に来ていただけるようになって、それは、皆さんが僕達を支えてくれてるおかげだなって思って。俺たちはせっかくまたチャンスをもらえたんだから、今度こそ間違えないように、みんなが笑顔になれるようなバンドを目指して、真っ直ぐ歩いて行こうと思っています。」

会場からは大きな拍手が。「そういう気持ちを込めて次の曲を歌います」として披露したのは「スノードロップ」。想いを込めて演奏、歌うメンバーの姿を会場の全員が見つめ、そして共に歌っていた。

曲間、モロが想いの丈を会場に叫ぶ。

「みんなのおかげで、またやれてよかったなとほんとに思ってます! ほんとにありがとう!」

「スターグライダー」、そしてラストの「日進月歩」と、URCHIN FARMは走り続ける。モロの単音リフが炸裂し、会場全体のドライブ感は最高潮に達していく。観客はジャンプ、手拍子、手を振り声を上げ、タオルを回す。この瞬間瞬間をいつくしむように過ごす観客の笑顔は輝いていた。その会場を見るメンバーの嬉しそうな顔、その顔には、この4人でサウンドを作ることへの満足感が見てとれた。「ありがとう! ありがとう!」の言葉を残してメンバーはステージを去ったが、手拍子は止まらない。

手拍子に応え、再度メンバーが登場し、観客への感謝を繰り返し語る。そのファンに対して「2つ報告があります!」 会場からは「おおおーーー!?」という期待のどよめき。まず、7/6に下北沢LIVEHOLICでアコースティックワンマンを開催! そして2つ目は、なんと 6/1から 12ヶ月連続で新譜を無料配信するという。12ヶ月をかけてみんなと一緒に作っていき、合計12曲でニューアルバム『CALENDER FILMS』が完成するという新たな試みだ。

「踊れる曲持ってきたんで、景気づけに踊って帰っちゃってください!!」

とその新曲「MONKEY MUSIC」を披露する。この曲のドライブ感がハンパない。これぞ URCHIN FARMというサウンド、そしてたたみかけるようなヴォーカルで一気にアガっていく必殺チューン。これは楽しい! そしてアンコールはまだまだ続く。さらにモロのMCで会場のテンションを上げ、MALを再度呼び込む。

「Seven Colors Arch」。ロックの迫力と美しいピアノのメロディー、そしてブレイクとリズムの心地良さが会場を包み込み、観客は大きく手を挙げてライブに参加していた。そしてツアーファイナルのラスト、「オレ達はここにいただろーーー!」と叫び、「存在音」へ。メンバーも、そして観客もこの日の全ての感情を凝縮するように、全員が高まっていく。これがライブだ。そう感じた。

全ての演奏が終わった。名残惜しそうなメンバー。名残惜しそうな観客。会場全員と記念写真を撮り、大きく手を振るメンバー、大きく振り返す観客。言葉にできない感情が渦巻く中、メンバーはステージを去った。URCHIN FARMのツアーファイナルワンマンは終了した。メンバーが何度も伝えた「ありがとう!」。その言葉には彼らが決意した未来がある。その未来を見てみよう。そう思わせてくれた極上の音楽空間だった。

Text: 大泉 繁
Photo: Rina Asahi

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URCHIN FARM『By Blue』release tour
~バイブる!? ツアー 2016 ファイナル ONE MAN LIVE~
2016年5月22日(日) 下北沢ReG

01. Mr.Holic
02. ワレワレハ地球人デアル
03. プレーン人間
04. OH YEAH
05. Fallin’ DANCE
06. Fallin’ DANCE(ピアノ入りver.)
07. Role-playing
08. Billy
09. 9′ oclock
10. SERRURIA
11. Angie Code
12. MUSIC
13. スノードロップ
14. スターグライダー
15. 日進月歩

Encore
01. MONKEY MUSIC
02. Seven Colors Arch
03. 存在音

URCHIN FARM オフィシャルサイト
http://www.urchinfarm.info/

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