2023年3月18日 川崎 CLUB CITTA’ にて、D 20th Anniversary year 主催イベント「Mad Tea Party vol.35」が開催された。本イベントは、2016年4月15日 EX THEATER ROPPONGIで開催された vol.34から、実に 7年ぶりとなる開催である。数多くのアーティストが共演する本イベントを待ちわびていたファンも多いだろう。ちなみに Mad Tea Partyとは、Dに同名の楽曲もあるが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の中で、三月ウサギが庭園で催している(狂った)お茶会のことである。今回の参加アーティストは、GOTCHAROCKA、RAZOR、摩天楼オペラ、Dと錚々たる顔ぶれである。7年ぶり、2023年の狂ったお茶会はどのような姿を見せたのか、レポートする。
トップバッターは GOTCHAROCKA。1曲目は「MONOCHROME」。メロディアスなミドルテンポの楽曲で Mad Tea Partyは幕を開けた。ドライブ感溢れるリズム隊の上で、Gt.十夜は、アグレッシブなリフとアクションでビートを刻むと同時に会場を煽る。多彩なメロディを奏でる Gt.JUNは、華やかなギタープレイと同時にその表情で会場を煽り、そのセクシーさは健在である。Vo.樹威は、メロディアスなヴォーカルで会場を魅了すると共に、時にはフロントマンとして激しく会場を煽り、久し振りとなった Mad Tea Partyでの観客との掛け合いを楽しんでいた。ステージが進むにつれ、会場の熱気はどんどんと上昇していき、観客は声出し無しの環境の中、ヘドバン、腕を振り上げ、GOTCHAROCKAのステージに向かっていく。その熱量はメンバーにも確実に届いていたであろう。
樹威が語る。
「Mad Tea Party、何度も出させていただいてます。僕らも今年10周年を迎えました。最初は Dのオープニングアクトをやらせてもらったりしてて、そこから10年やって来れて。Dは今年 20周年で、色々な時代の Dを見てきて、またこうやって一緒にやらせてもらって、今日は本当に嬉しく思ってます!」
ここからラスト 3曲、GOTCHAROCKAは突っ走る。ラストの「OUT OF SERVICE」は圧巻であった。ギターのみをバックに歌い上げる樹威、直後にハイスピードなリフに転じて一気にボルテージを MAXへ。観客もすぐさま対応し、ヘドバン、ジャンプと力いっぱい楽しんでいた。
続いての登場は RAZOR。SEが印象的な「KNOT INVISIBLE」でステージがスタート。ド頭からツーバスが炸裂し、ヘドバンで応戦する会場。確実に内臓に届くほど空気が揺れる音量、RAZORらしいスタートである。以降も勢いはさらに増し、RAZORらしい混沌の中に会場を引っ張っていく。Dr.NIKKYと Ba.IZAの放つビートによって、身体が持って行かれるような感覚を味わう。その上で Gt.衍龍の重く低く速いリフと、Gt.剣の速く美しいメロディが重なり、Vo.猟牙が会場に向かって力の限り叫び、その表情で会場を煽る。これらが合わさり、RAZORのサウンドが作り出される。心地よい過激さ、それが RAZORの魅力だろう。
「Mad Tea Party、知ってました。Dが主催してるイベントで、スゲーなーって。今日呼んでいただいて非常に光栄です。ありがとうございます!」 と猟牙が Dへの感謝を語る。
「でも今日、如何に爪痕残すか考えたんです、色々。でも何も思い浮かばなかったです! だからひたすら暴れるしかないなって!!」
ここからも言葉通り暴れまわるRAZOR。観客ももちろんそれを望んでいる。会場は一体となって高みに昇っていった。ラストは「GRAVITY EMOTION」。重く低いリフで攻め、印象的なコーラスが続く RAZOR独特の楽曲、観客はそのグルーヴに身を任せていた。
3バンド目は「摩天楼オペラ」。「始めようかー!!」と煽り一発で始まった1曲目は「BURNING SOUL」。初っ端から高速ツーバスが炸裂するハイスピードチューンでスタート。会場もすぐさまヘドバンで対応する。シンフォニックメタルをベースとした摩天楼オペラ独特の進行とそのスピードに、会場の熱気は一気に上昇していく。
摩天楼オペラも活動歴は16年と長く、テクニカル集団としても知られている。Dr.響の技術力、曲中に複雑なフレーズを入れても全くブレないリズムキープ力に驚愕。恐るべき安定感である。その上の Ba.燿の重く響くベースプレイで、複雑な楽曲でもそこにバシッと柱を立てる。Gt.優介のバッキング、ソロフレーズでは、クラシック音階をベースとしたメロディで楽曲を締め、Kb.彩雨のプレイがギターとの掛け合いによってシンフォニック色を増す。そして Vo.苑が持つ広い音域と特徴的なビブラートで、他には無い世界を作り出す。こうして摩天楼オペラのサウンドは完成する。会場の熱気がピークに達したまま、ステージは進んでいく。彼らならではの曲進行、メロディに合わせて、観客は腕を上げ、ジャンプと、身体全体でステージに相対していく。
苑が語り掛ける。
「久し振りの Mad Tea Partyで、めちゃめちゃ楽しみにして今日来ました。Dさんにはいつもありがたいなと思って参加させてもらってます。久しぶりのイベントでこうやってオペラー以外のお客さんにもライブできるのがすごく嬉しいです!」
ラストは現メンバーで初めて作った曲「真っ白な闇がすべてを塗り替えても」。ハイスピード、メロディアスな摩天楼オペラらしい楽曲に観客も気合を入れてステージに対する。ステージ上のメンバーもラストを飾るべく、気合が入っているのが見てとれた。苑の印象的な高音が響く中、摩天楼オペラのステージは終了した。
十二分に熱気が充満した会場、待ちわびた観客の前に Dの登場だ。SEと共に登場するメンバー、この日から新たなヴィジュアルでの登場となる。黒をベースとした衣装で、ASAGIの赤の差し色が映える。「Dの領域へようこそ!」という ASAGIの煽りに会場は準備万端、フルスピードで ASAGIに応える。
1曲目は「In the name of justice」。Dr.HIROKIの身体に響く高速ドラム、Ba.Tsunehitoのテクニカルなプレイとアグレッシブなアクション、HIDE-ZOUの刻む低くうねるリフ、Ruizaの多彩なフレーズが光るギタープレイ、そして ASAGIの広い音域と煽り。そう、これが Dだ。フロントに 4人が並んで会場に対する姿はトリハダものの美しさである。続いては HIDE-ZOUのギターからスタートした「Deadly sin」。こちらも重く低いハードナンバーで、会場はあっという間に Dの世界に変わる。2曲が終わったところで ASAGIが語る。
「Mad Tea Partyにお集まりいただき、ありがとうございます。 狂ったお茶会は楽しめてますか?」
「実に 7年ぶりの開催になりますが、今回も素晴らしいアーティスト達が集まってくれました。
一緒にこうやってまた仲間達と Mad Tea Partyができて本当に嬉しいです。ありがとう!」
ここで 4/18に発売するニューシングルの両A面となる「REVENANT~黒夜現の章~」、「REVENANT~白昼夢の章~」をライブで初披露。両曲共に緩急のある、サビのメロディが印象的なハードナンバーで、D節(ぶし)が満載の壮大な楽曲となっており、薔薇の申し子達には欠かせない楽曲となりそうだ。さらに続いて D 20周年記念で発表された「薔薇の聖戦」。ASAGIと共にフラッグを振り、一体となって楽しむ観客。薔薇の申し子ならではの楽しみである。
「ラスト 2曲行けるかー!!」と煽り、ライブでは久々となった名曲「闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア」。ASAGIの高音が会場中に響き渡る。ラストは ASAGIの咆哮で始まるハードナンバー「鬨の声」。ヘドバンの嵐の中、掛け合いを続け、会場はリミッターが外れ、その熱気は最高潮を超えるレベルにまでなっていた。
ここで本編は終了、だが観客はまだまだである。拍手を続け、アンコールで Dのメンバーが登場。鞭を持った ASAGIが会場を煽る「花惑」、銃を携えて歌唱する「弾丸」と続く。会場はリミッターが外れたまま、身体全体で Dが作り出す世界を受け止めていた。
今回の宴の終焉も近い。ここで次回の Mad Tea Party vol.36が 7/4 CLUB CITTA’で開催されることが発表された。出演者は GOTCHAROCKA、Versailles、ダウトと、これも見逃せないラインアップである。そして ASAGIが今日の共演者をステージに呼び込む。共演者全員がステージに上がったラストの大セッションの曲は「闇の国のアリス」。出演者全員が、Dのメンバーや他バンドのメンバーに絡みながら、ステージ上は、いい意味でカオスな状況。歌い続けている ASAGIも嬉しそうに笑みを浮かべている。それを見る観客も笑顔でいっぱい。志を共にした仲間たちの束の間のパーティ、その楽しさを共に感じられること、言葉にならない楽しさであった。
「みんな、ありがとう! お前ら最高ーー!!」
ASAGIの感謝の言葉で、「Mad Tea Party vol.35」は幕を閉じた。Dを中心とするアーティストのつながり、共にステージを、空間を作り出そうとする意思、リスペクト、様々な想いが飛び交っていたライブであった。単独のライブでは味わえないそんな感情をもっと味わいたい、そう思った方は vol.36も、そして気になったアーティストのライブにも足を運んで欲しい。それによって、さらに Mad Tea Partyを楽しめるようになるだろう。
(文・大泉 繁/写真・TAKUYA ORITA)
「Mad Tea Party vol.35」
2023年3月17日(金)
CLUB CITTA’
【GOTCHAROCKA】
01. MONOCHROME
02. BRAND NEW DEVIL
03. DEATHFLOOR
04. PRISM
05. 撃愛
06. OUT OF SERVICE
【RAZOR】
01. KNOT INVISIBLE
02. UNION
03. 瓦礫
04. チェゲバラ
05. 千年ノ色彩
06. ブルータルモダン
07. GRAVITY EMOTION
【摩天楼オペラ】
01. BURNING SOUL
02. 零れ落ちていく未来
03. Psychic Paradise
04. MONSTER
05. 儚く消える愛の讃歌
06. 真っ白な闇がすべてを塗り替えても
【D】
01. In the name of justice
02. Deadly sin
03. REVENANT~黒夜現の章~
04. REVENANT~白昼夢の章~
05. 薔薇の聖戦
06. 闇より暗い慟哭のアカペラと薔薇より赤い情熱のアリア
07. 鬨の声
Encore
01. 花惑
02. 弾丸
03. 闇の国のアリス(大セッション)
【GOTCHAROCKA ライブ情報】
ONEMAN LIVE 樹威BIRTHDAY LIVE ロミオ&ジュイエット物語’23
~ワインレッドの夢芝居~
6月30日(金) 新宿ReNY
TOYA BIRTHDAY LIVE ブルーライト横濱’23
~今宵は至高の一杯を~
8月11日(金祝) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
GOTCHAROCKA 11th anniversary tour
~D1MLY L1T FLOOR~
7月8日(土) 西川口 Hearts
7月9日(日) 西川口Hearts
7月15日(土) 札幌SPiCE
7月17日(月祝) 仙台MACANA
7月20日(木) 神戸VARIT.
7月22日(土) 名古屋ell.FITS ALL
7月29日(土) 広島SECOND CRUTCH
7月30日(日) 福岡DRUM SON
8月4日(金) OSAKA MUSE
8月6日(日) 静岡Sunash
TOUR FINAL
8月18日(金) duo MUSIC EXCHANGE
【EVENT LIVE】
キズ 主催TOUR「友喰イ 2023」
4月22日(土) 愛知・Nagoya ReNY limited
5月5日(金/祝) 大阪・BIGCAT
5月21日(日) 東京・Spotify O-EAST
D主催 「Mad Tea Party vol.36」
7月4日(火) 川崎クラブチッタ
【RAZOR ライブ情報】
2023年4月22日(土) 愛知・Nagoya ReNY limited
キズ 主催TOUR「友喰イ 2023」
2023年5月5日(金/祝) 大阪・BIGCAT
キズ 主催TOUR「友喰イ 2023」
2023年5月8日(月)柏PALOOZA
RAZOR SPECIAL ONEMAN LIVE IZA生誕祭2023
2023年5月21日(日) 東京・Spotify O-EAST
キズ 主催TOUR「友喰イ 2023」
2023年10月14日(土)GRIT at SHIBUYA
RAZOR SPECIAL ONEMAN LIVE 衍龍生誕祭2023
【摩天楼オペラ ライブ情報】
◆ONEMAN
【15th Anniversary Tour -WALTZ-】
DAY 1 – 追憶の摩天楼
DAY 2 – 真実を知っていく物語
4月15日(土)・16日(日)大阪MUSE
【16th Anniversary Live -翠玉のワルツ-】
5月4日(木・祝)Zepp Haneda
※SOLD OUT
◆EVENT
【XANVALA × 摩天楼オペラ 2MAN LIVE「斬劇」】
6月19日(月)恵比寿LIQUIDROOM
【PURE ROCK JAPAN LIVE 2023】
6月25日(日)川崎CLUB CITTA’
【CRUSH OF MODE】
7月29日(土)横浜BAYHALL
【D リリース情報】
◆D official website http://www.d-gcr.com
●New Single『REVENANT』2023年4月18日(火)発売
(GOD CHILD RECORDS)
[数量限定豪華盤TYPE-A](CD+DVD)GCR-240 ¥5,500(税込)
ブックレット・セルフライナーノーツ・スリーブケース付き Special Limited Edition
※ライブ会場及びオフィシャル通販のみの限定販売
[CD]
01. REVENANT ~黒夜現の章~
02. REVENANT ~白昼夢の章~
03. アインスの記述
[DVD]
01. REVENANT ~黒夜現の章~
02. REVENANT ~白昼夢の章~
03. REVENANT ~黒夜現の章~ & REVENANT ~白昼夢の章~ (Music Video Making)
限定盤初回特典(封入):ポストカード(全8種中1種ランダム封入)
限定盤スリーブケース:「アインスの記述」をイメージしたデザイン
[通常盤TYPE-B](CD) GCR-241 ¥1,650(税込)
[CD]
01. REVENANT ~黒夜現の章~
02. REVENANT ~白昼夢の章~
03. アインスの記述
04. Silent cry(Instrumental)
通常盤初回特典(封入):トレーディングカード(全8種中1種ランダム封入)
D「REVENANT」試聴動画 https://youtu.be/dOVZzjC1FMI
【D ライブ情報】
●D 20th Anniversary Year 春 東名阪ワンマンツアー「REVENANT」
4月20日(木)名古屋ELL
4月22日(土)江坂MUSE
5月19日(金)新宿BLAZE
●D オフィシャルFC「Ultimate lover」主催LIVE 5月3日(水・祝)目黒鹿鳴館 「Dahlie Day」 5月4日(木・祝)目黒鹿鳴館 「Dreizen Day」
●Versailles × D「BLOOD OF ROSE」 5月8日(月)川崎CLUB CITTA’ 出演:D、Versailles(順不同)
●D主催イベント「Mad Tea Party vol.36」
7月4日(火)川崎CLUB CITTA’
出演:D、GOTCHAROCKA、Versailles、ダウト(順不同)
●Japanese Visual Metal「共同声明」Zepp Tour9月22日(金)KT Zepp Yokohama9月28日(木)Zepp Nagoya9月29日(金)Zepp Osaka Bayside10月2日(月)Zepp Haneda出演:Moi dix Mois、Versailles、D、摩天楼オペラ(順不同)