2024年8月4日、「きみとバンド」が、レコ発& 4th anniversary ツアーの開幕となるワンマンライブを名古屋 SPADE BOXにて開催した。ツアー初日にリリースしたニューシングル「Thanks.」。そのお披露目とバンド結成 4周年を記念して組まれた全国ツアー。その初日となった名古屋公演の様子をレポートする。
ソールドアウトとなり満員となった会場には、大勢の「きみ」達が集結。今回のツアーを盛り上げる心意気満々で開演を待つ。SEが始まった瞬間、会場は歓声と拍手が巻き起こる。SE、手拍子と共に、真っ白な衣装に身を包んだメンバーが一人ずつ登場。会場からは大きな拍手と声援、開演の準備は万端だ。
1曲目は彼女達を象徴する曲「きみとバンド」。会場は手拍子、腕を振り上げて彼女達と共にライブを形作る。Dr. 大野真依は微笑みながら演奏、観客、メンバーを含む会場全体を見渡し、ライブの空気感をビートと共に作っていく。Gt. Vo. 清原梨央はいつもながら元気いっぱい。ステージを跳び跳ね、ギタープレイと共にヴォーカル、コーラスと会場を明るく楽しく見せる存在感はさすがである。Gt. Vo. 森田理紗子は、柔らかな表情で澄んだ歌声を会場に届ける。彼女の実力に裏打ちされた熱量はこの日、筆者がびっくりするほど飛躍的に高まっていくことになる。Ba. ゆきたんはベースをプレイしながらも、メンバーや観客に笑顔を向けていた。演奏にかかりっきりになっていた姿はもう無く、バンドのメンバーとして、ミュージシャンとして、いい意味で普通に観客と相対していた。ここに来るまでは簡単な道のりではなかったであろう。きみとバンドのツアーがここに始まった。
続いて「スローモーション」。掛け合いで声を揃える会場、そして曲中のベースソロをきっちりこなすゆきたん。既に会場は「きみとバンド」色に染まっていた。今回のライブそしてツアーに期待が高まる。
「きみとバンドです! よろしくーー!!」
「ツアー、スタートしましたーー! ソールドアウト本当にありがとうございます!!」
「みんな、いつも支えてくれて本当にありがとう!」
会場からは拍手とアツいメンバーコールが止まらない。続いてバンドの原点となった曲「amulet」、そして「ローズマリー」と続く。様々な想いを込めた楽曲を森田理紗子、清原梨央が切々と歌い上げる。大野真依、ゆきたんの二人はその歌唱を支えるべく、優しく、しかししっかりとした演奏でバンドサウンドとして見事にまとめ上げていた。そして会場と共に楽しむ「レリビ☆」。掛け合いでは「きみ」達も大きな声で楽曲に参加、一体感はさらに高まっていった。
中盤、森田理紗子がキーボードを弾き、「さよならリフレイン」、「ユメコイ」、「つよがり」と歌い上げる。きみとバンドの一つの魅力として楽曲の振り幅の大きさがある。森田理紗子の歌唱をじっくりと聴かせるこれらの曲、彼女のヴォーカルとしての実力はもちろんだが、その歌唱を引き出す Dr. 大野真依、Gt. 清原梨央、Ba. ゆきたんのバンドサウンドが、時間が経つと共に完成度が高まっているように感じる。楽曲全体をどう作り上げるか、それは「バンド」としてどう表現するかとイコールであり、それはメンバーの想いが一体になる必要がある。彼女達はおそらくその領域に既に入っているのだろう。その意味で心地よい演奏とエモーショナルな歌唱で、彼女達の領域にどんどんと引き込まれて行った。
ここでこの日にリリースしたニューシングル「Thanks.」から「midnight scream」。この曲は、大野真依、清原梨央主演の映画「ゴーストスポッターズ~夢湯~」の主題歌でもある。この曲を聴いて、見て、筆者はまたも金縛りに近い感覚を味わった。新たなきみとバンドの姿をまた見ることができたからである。おそらく、きみとバンド史上最もハードな楽曲で、王道なロックの展開を見せるが、そのハイテンポなリズムから生まれるバンドとしての塊感がたまらない魅力であり、早いテンポで進む演奏に、森田理紗子の中高音域がきれいに重なり、トリハダもののカッコ良さであった。きみとバンドの多彩な楽曲群の中でも、また新たな魅力を発見できた気がした。わかりやすく言うと、「ロックバンドとしてマジカッコイイ」。ロック・ヴォーカリストとしての森田理紗子をもっと見てみたいと思った。
ここで大野真依がMCを取る。
「デビューした当時は本当にがむしゃらにやっていたので、4年経った今の方が、悩みとか大変なことって正直多くて。でもみんなと一緒に大きなステージに行く、っていう目標だけはずっと変わらなくて。だから色々あっても乗り越えられるのは、本当にみんなのおかげだと思っています。今回の CD のタイトルもみんなへの感謝の気持ちを込めてつけました。これからも一緒に大きなステージに向かって進んで行ってください。よろしくお願いします!」
会場からは大きな拍手が。そしてライブも終盤に差し掛かる。ラスト 3曲はアガる楽曲で会場との一体感を楽しむパートに。「あの場所へ」で熱気は即座に最高潮へ。
「行けますかーーーーーーーー!!」
「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」
清原梨央の超煽りに会場は果敢に反応し、全力で声を張り上げる。会場の熱量はとっくに振り切れていた。「恋のモンスター」、「∞YAKEN」と熱気MAXの状態で突き進むステージ上のメンバーと会場の「きみ」達。こうなったらもう止まらない。いや、止めるつもりもない。行けるところまで行ってしまえ! そんなライブという心地よい混沌の中、きみとバンドのステージは終了した。
手を振ってステージを去ったメンバーだが、もちろん即座にアンコールがかかる。しばらくして大声援に迎えられてメンバーが再登場。しかし、フォーメーションがおかしい。ゆきたんがマイクを手に登場している。アンコール 1曲目はなんとサプライズで Vo. ゆきたんで「きみが好き」。会場も大盛り上がり。ゆきたんも、他のメンバーも、観客も皆笑顔でサプライズを楽しむ。
(ゆきたん)「本編より緊張しました・・・」
そして次はラッパー・清原梨央の登場、「spicy!」だ。タオルを回してステージ上を駆け回る清原梨央。負けじと声を出し、全力でタオルを回す観客達。楽しいアンコールもラストの曲へ。ラストは彼女達のメッセージを乗せた「歌にのせて」をしっとりと。
達成感と共に手を振りながらステージを降りるメンバーと笑顔の「きみ」達。こうして「レコ発& 4th anniversary ツアー」初日名古屋公演は終了した。今回のツアーは始まったばかり。だが新曲も含めて「きみとバンド」の新しい姿と成長が既に見え始めている。これから各地の「きみ」達とのライブを通して、彼女達のさらなる成長が期待できる、そんな期待を胸に会場を後にした。
強くなった。言葉で表すのは難しいが、そんな感じだろうか。そこにはたくさんの努力があったはずである。そんな彼女達の姿を、少しでも多く見届けていきたい。
Photo: Official photo、大泉 繁
Text: 大泉 繁
きみとバンド
「レコ発&4th anniversary ツアー」
2024.8.4 名古屋 SPADE BOX
01. きみとバンド
02. スローモーション
03. amulet
04. ローズマリー
05. レリビ☆
06. さよならリフレイン
07. ユメコイ
08. つよがり
09. midnight scream
10. あの場所へ
11. 恋のモンスター
12. ∞YAKEN
Encore
01. きみが好き(Vo.ゆきたん)
02. spicy!
03. 歌にのせて
〇きみとバンド New Single「Thanks.」
1. So High!
2. Midnight Scream
3. こいごころ
・発売日 2024.08.04(日)~
・価格 1枚 ¥1,650-(税込)
・販売場所 名古屋ライブの物販よりライブ会場、イベント会場及びきみとバンド公式通販サイト(URL https://photoevent.shop/ )で販売
○きみとバンド レコ発&4th anniversary ツアー
2024.08.18(Sun)愛媛 松山サロンキティ
2024.09.28(Sat)東京 赤羽Reny
2024.10.13(Sun)北海道 札幌SOUND CRUE
2024.10.20(Sun)大阪 北堀江club vijon (ソールドアウト)
2024.11.04(Mon)福岡 福岡DRUM SON
・チケット販売
ローソンチケット:Lコード82416 https://l-tike.com/kimi-to-band/
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