Empress、1stフルアルバムリリース記念ワンマンライブレポート。新たな旅立ちに 4人の想いが結集!

2024年12月8日、下北沢ReGにて、「Empress 1st FullAlbum Release ONE-MAN LIVE『-Departure-』」が開催された。11月20日、Empressは初のフルアルバム「Departure」をリリース、これまでの Empressの楽曲全てを現メンバーでリ・レコーディングした文字通り新生 Empressの旅立ち(Departure)となるアルバムである。その完成をメンバー全員が心待ちにしていたアルバム。その楽曲を届けている間、ステージから常に放たれている 4人の想い。アツく感動的となったこの日のライブをレポートする。

記念すべきこの日のゲストは FullMooN。Empressを「うちの娘達」と呼ぶ大先輩の圧倒的なパワーを誇るステージングで会場の熱気は一気に上昇。強烈なオープニングに会場のファンは全力で立ち向かう。こんなにフルパワーで向かい、本編 Empressまで持つのか?とこの時は思ったが、それはあっという間に杞憂に終わることとなった。

ついに Empressのステージが始まる。SEと共にスクリーンにメンバーが映し出されると、その瞬間を心待ちにし、パンパンに詰まった会場のファンは一気に雄叫びを上げる。1曲目は「Restart~君へ贈る歌~」。Departure そして Restart、今の Empressの想いを込めた楽曲でライブはスタート。ゆったりとしたリズムに合わせ、メンバーは笑顔でフロアを見つめる。そう、ここから Empressの新しい物語が始まるのだ。

2曲目は「Rebuild」。ここから会場は一気に Empress色に染まっていく。LeAの「来いよ!!」が合図となり、フロアは一気にパワー全開、腕を振り上げ、声を出してステージに相対していく。現メンバーで全ての曲を再レコーディングし、フルアルバムとしてまとめる、そのアルバムのリリース記念でワンマンライブ。彼女達にとって、会場に詰め掛けたファンに対してこれ以上無い表現ができるこの瞬間、Empressはその想いをステージ上で爆発させていた。

Dr.いおりのプレイスタイルはスタイリッシュであり、見ていて美しく、(ハードな楽曲であっても)聴いていて心地良い独特のグルーヴを作り出す。また、この日のスネアの音色が筆者ドンピシャであったことも付け加えておく。Ba.マリーの安定したプレイは常に健在、どんな曲でも安心して聴くことができる。そんな中でもドラムやギターとのリズム、メロディの掛け合いや多彩な技を魅せてくれる玄人好みのプレイを魅せてくれる。Gt.みつきの存在感は Empressの武器の一つ。これまで Empressを支えて来た文字通りの屋台骨、万感の想いを背負いながら、この 4人でステージに立つ彼女の想いは、ステージ上からひしひしと伝わっていた。そして Vo.LeA。彼女は「ただ人生をかけて歌いたいだけで始めた初心者」と語っていたが、現在、彼女は Empressを引っ張るフロントパーソンとして、堂々たるステージングを魅せてくれる。「気持ちだけで」、しかし「気持ち」を突き詰めれば、表現者としての確固たる地位を築くことができる、LeAの生き様とステージングは、そのことを十分に証明してくれていた。

「改めましてこんばんは。Empressです!!!!」
「私たちが Empressだーーー!!!」

LeAの鬼気迫る煽りに対し、会場のファンも負けじと声を出す。メンバーとファンの感情が真正面からぶつかり合い、会場に渦巻いているその様子には鳥肌が立つほどであった。

「今日は Empressの音楽に、全身で心の奥底まで浸っていってください!」

そして「運命」(さだめ)へとつなげる。印象的なギターフレーズと共に会場は腕を振り上げる。続けて「花蝶風月」、「ラストシーン」、「ハルジオン」と LeAが想いを込めた感情を会場へぶつけ、会場のファンはある時は拳を振り上げ、ある時はじっとステージを見つめる。ライブ会場は、熱気と緊張感漂う心地良い空間になっていた。

「今日みんなが楽しみにしてきたであろう新曲完成しましたー!!」

そして新曲「Howling」。これには筆者も完全ノックダウン。ガチガチにカッコイイ「スタイリッシュ・ハードロック」。ハネるリズムのドラムとベースに、リフで追い込むギター、ワイルドさを押し出すヴォーカル、サビでテンポを倍にする展開もたまらない、王道のハードロックを今風にアレンジした良曲。これはハマる。ここからは会場と楽しく空間を共有する「Brand new stage」、「晴レノチ Summer」と続ける。ステージ上のメンバーも、会場のファンも笑顔、笑顔である。全員で楽しみ、盛り上げる。楽しい。この空間が楽しい。

ここで Dr.いおり、Ba.マリーによるリズム隊ソロが始まる。いおりの高速ドラム、マリーのテクニカルなプレイが炸裂、ファンはその緊張感あるステージを見入っていた。そしてみつきが登場、ギターソロを披露する。ライトハンド、アーミングを駆使し、リズム隊と合わせてリフ、ソロを展開するその姿はまさにギターヒーロー。終わった瞬間、思わず拍手してしまうくらいの完成度であった。

「ワンマンライブ、楽しんでますかーーー!!!」

ここからは、ワンマンならではの企画・パートチェンジが始まる。今回は、Dr.みつき、Ba.LeA、Gt.いおり、Vo.マリーというパートで「Days」を披露。楽器メンバーが必死になって演奏している姿は微笑ましく、その中で気持ち良さそうに歌っているマリーが印象的だった。

パートチェンジが終わり、ここで Siriusのメンバーによる Empressメンバーの私物プレゼント・ジャンケン大会。ジリオンモードのライブでは恒例となっているジャンケン大会、ファンも楽しく参加し、ほっこりとした時間が流れていた。

「あちあちジャンケン、ジャンケンぴゃーい」

そして後半のスタートはアルバムタイトルにもなっている「Departure」。今の Empressを象徴し、これからの旅立ちを示す、彼女達の想いがいっぱいに詰まった楽曲である。会場は初っ端から声を合わせ、拳を振り上げる。シンプルながら力強いこの曲も、文句の無いスタイリッシュでクールなハードロック・チューン。これは盛り上がるしかない。ここから畳みかける Empress。「カタルシス」、「MY GAME」とトバして会場を煽る。

「これからも色々な曲を進化させて、新しい形を見せていきたいと思っているので、今日最後の最後まで、今の私達 Empressの曲を楽しんでいってくれたら嬉しいです」

みつきの美しいアルペジオから「少年の翼」。美しいコーラスと共に、メロディアスでハードな展開が心地良い。一変、「ナイトメア」で会場を煽り、様々な顔を見せるみつきのギターソロをふんだんに盛り込み、会場はさらにアツい空間へと変わっていく。さらに一変、「Days」で会場はエモーショナルな空間へ。そして「ブルーライト」では、これからの彼女達の想いを伝えるように、未来に向かう希望を奏でていた。

「ついにここからラストスパートが始まります!!」

新メンバーで初めてリリースした「Rain」。現在の Empressの結束の強さを知った上でこの曲を振り返ると、その片鱗はこの曲で明らかに示されていた。カッコイイハードロックを目指す、その志向はこの時から既に提示されていたのである。そしてスパートは続く。タオルを回す「ビターブレンド」、みんなでジャンプ!「渚」と、ファンと楽しむ楽曲でワンマンを締めくくる Empress。会場のファンも全身でこのライブを楽しんでいた。時には見入り、時には拳を上げ、時にはほっこり。そのファンがいることが、Empressが確実に何かを伝えられるアーティストに成長してきた証でもある。時間、空間、そして想いを共有できるファンがいることは、アーティストにとってこの上無い喜びでもある。そんな喜びが充満する会場、その空気にしばし酔いしれていた。

「ありがとうーーー!! Empressでした!!!」

すかさずアンコールがかかり、メンバーが登場し、LeAが語る。

「Departureの歌詞は私の経験の写しみたいなもので、私はよぼよぼのお婆ちゃんになってもステージで歌っていたい。でも、それだけ続けることって難しくて、仲間がいないとやっていけない。私はこの Empressで、初めて背中を預ける、信頼できるっていう意味を感じたんです。そして、ここにいるみんなが、Empressのことをみんなの生活の中に置いてくれるから、だから私はここに立って歌っていられる。だから本当にみんなにありがとうって伝えたい」

そんな心情をファンに語った LeA。その想いの強さを再確認するように「BEST LIFE」へ。全員の歌声で作られるこの曲、最後の時間に向けて会場は一つになって再度動き出した。ラストのカノンロックのフレーズに、みつきの想いが込められていることにもグッと来るものがある。ラストは「Believe in the way」。全員でジャンプ、未来へ向かってジャンプする会場。ステージ上のメンバーも、会場のファンも満面の笑顔。最後にLeAが叫ぶ。

「本当に来てくれてありがとう! みんな、サイコーの奴らだよ! Empress、これから新たな出発をします。だから、これからも全員ついて来いよーーーー!!!!」

ライブは終了した。彼女達の想い溢れるステージ。たくさんのものを受け取った気がする。Empressの旅はここから再度始まる。固い結束で結ばれた仲間と一緒に進む Empressは、どんな困難も乗り越えていくに違いない。ファンがいるからこそ立っていられる、その想いは変わることはないだろう。彼女達のこれからの進化に期待し、その姿を見届けて欲しい。

Text: 大泉 繁

2024.12.8(日) 下北沢ReG
Empress 1st FullAlbum Release ONE-MAN LIVE『-Departure-』

01 Restart~君へ贈る歌~
02 Rebuild
03 運命
04 花蝶風月
05 ラストシーン
06 ハルジオン
07 Howling
08 Brand new stage
09 晴レノチ Summer
10 ドラム&ベース
11 Guitar
12 Days(パートチェンジ)
13 Departure
14 カタルシス
15 MY GAME
16 少年の翼
17 ナイトメア
18 Days
19 ブルーライト
20 Rain
21 ビターブレンド
22 渚
Encore
01 BEST LIFE
02 Believe in the way

【リリース情報】

2024.11.20 Release!!
Empress 1st FullAlbum『Departure』

Empress「Departure」全曲視聴
https://youtu.be/DFST7_jsW8I

ご購入はこちらから
ディスクユニオン https://diskunion.net/metal/ct/detail/1008921312
タワーレコード https://tower.jp/item/6523009

1.Dreaming of Reign
2.Departure
3.カタルシス
4.ナイトメア
5.ハルジオン
6.ラストシーン
7.運命
8.ビターブレンド
9.ブルーライト
10.渚
11.BEST LIFE

Empress「Departure」MV FULL
https://www.youtube.com/watch?v=Uqm2RkXZwqY

【ライブ・イベント情報】

2025年2月9日(日) 赤羽ReNY alpha
クレフェスEXTRA-15Vt.SP
OPEN 10:50 / START 11:20
前売り ¥5,000 / 当日 ¥5,500(各+D)
ご来場チケット
https://eplus.jp/sf/detail/4237760001-P0030001
※有料配信あり
※入場順 : 整番順
Empress 16:20~ 出演!!

Empress Official X https://x.com/Empress_tw
LeA https://x.com/Empress_lea__
みつき https://x.com/Empress_mitsuki
マリー https://x.com/Empress_marie__
いおり https://x.com/Empress_iori

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