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「FLOOR WA CHAOS -spring tour2016-」ファイナル 、六本木のカオスな夜!




2016年4月9日、六本木 morph-tokyoにて「FLOOR WA CHAOS -spring tour2016-」ファイナルが開催された。Caramel、絶叫する60度、谷川POPゴリラ、まなみのりさの 4組で行われたこのツアーは、4月1日 名古屋、4月2日 大阪、4月3日 広島で行われた。この日はそのツアーファイナルである。ツアー中、様々なものを得たというそれぞれが魅せるファイナル、その様子をレポートする。文字通り「カオス」なライブになったが、その素晴らしき混沌を作り上げたそれぞれのファンは、どのバンドの時も常時一体。その姿勢に敬意を表し、以下、会場にいた全てのファン達を「フロアー」と表現してみる。

超満員のフロアーは、期待を膨らませてその時を待っていた。定刻を少し過ぎたその時、ステージが暗転すると同時に一斉に歓声を上げ、ステージを見つめるフロアー。ファイナルのトップバッターは「まなみのりさ」。暗闇にスタンバイするみのり、りさの 2人。このツアーでは、まなみが喉の不調で不参加となり、二人でのステージとなっている。シンと静まり返ったフロアーでアカペラで歌い始めたのは「逆襲のポラリス」のサビ。満員のフロアーは一心にそのハーモニーに耳を傾ける。サビが終わり、イントロが流れ始め、

「ファイナル行くぞーー!!!」

というみのりの合図によって、フロアーは大歓声で応え、一気に熱狂モードに移った。まなみ不在となったこのツアー、ステージ上の二人と同様、それを埋めようという想いで一心に声を上げ、腕を振り上げてライブを作っていくフロアー。続く「花魁サンダー」でもその勢いは止まらない。圧倒されるほどの熱気に、フロアーの空気はどんどん高まっていく。次に披露したのは 7/5にリリースされる新曲「真夏のエイプリルフール」。会場との掛け合いも楽しいこの曲で熱気はさらに上昇。この後は一転、しっとりと「レモンサイダーと夏休み」を歌い上げる 2人。そしてみのりが語り始める。

「皆さん、ツアー楽しんでますかー!?」

「今回のツアーは、まなみが喉の不調で参加できなかったんですが、それでも助けてくれる仲間がいたり、会場のみんながいてくれたおかげで、すごくすごく力強かったです」

「ツアーを一緒に回ってきた仲間、ライバルのおかげで、成長できたと思います。まなさんが帰ってきたら、一歩レベルアップしたまなみのりさになりますので、皆さん期待してください!」

フロアーからは大歓声。そして後半戦を迎えて披露したのは「ポラリス Episode ZERO」。フロアーは手拍子とコールで再度熱気をどんどん上げていく。後半はまなみのりさの真骨頂「ポラリス」「νポラリスAb」で「回るよー!!」とフロアーを縦横無尽に回し、ライブは早くもカオス状態に突入していく。フロアー全員、全力で声を上げながら回り続け、熱気を最高潮に上げて、まなみのりさのステージは終了した。まなみの不参加を、みのり、りさ、そしてフロアーの力で見事に乗り越えた、想いあふれるステージとなった。

続いての登場は「Caramel」。もちろん、Caramelもツアーファイナルへの意気込みは凄かった。冒頭からフロアーを煽り始める。「tkmkセンセーション」のイントロが流れる中、

「こんばんは、Caramelでーーす! 40分間手加減しねーからついてこいよーー!!」

フロアーは既に迎撃態勢、大歓声でステージに向かい、腕を振り上げてライブを作り始める。Dr.モモはこの日も笑顔でフロアーを見つめながらリズムを作り出し、Gt.ユウミはいつものようにアグレッシブなアクションで煽りながらの演奏。Vo.ルミは熱狂するフロアーに一歩も引かずに相対する。そう、これが「or Die」の姿。その空気は続く「スナイパーガールZ」でさらに上がっていく。「Tailwind」に入ると、フロアーからの声は一段と大きくなり、それに応じるように更に Caramel 3人の気合と想いが高まっていく。こうして両者が制御不能なままミックスアップして作り上げるのが Caramelのライブである。そんな熱狂の中、しっとりと始まったように見える「ラブストーリー」だが、終盤になるとテンポに合わせてフロアーの出番が訪れ、全力で腕を上げ、声を出してライブを作っていく。既に熱気は最高に上がったと思ったが、次の曲「ブラララビュー(仮)」のイントロが流れるとルミがさらに煽り始める。

「もっとブチ上がろうぜーー!!!」

この曲は成り立ちからして制御不能な曲として認知されている通り、Caramel、フロアー双方のタガが再度外れ、限界を無視して盛り上がっていく。ここから Caramelの容赦ない攻撃が続く。「恋愛少女」、「恋愛少女2」の定番狂乱セットでは、Vo.ルミの真直ぐに飛ぶしっかりとした歌声に、Gt.ユウミの胸にドンとくる掛け声と楽曲に明らかに華を添えるパフォーマンス、Dr.モモの時折見せる笑顔に吸い込まれそうになるも、笑顔とは裏腹に髪を振り乱しながら「メロディーを感じる」そのドラミングと、体全体が Caramelに持っていかれる。そうして、タイトル通りの狂乱のフロアーを作り上げた。しかし、ここで終わる Caramelではなかった。一瞬の静寂の中、ルミが「恋愛少女2」のサビをアカペラで歌い始める。ここにきて、透き通る歌声に歓声を上げたフロアーだったが、ここで再び試練が与えられることになる。歌い終わったルミが一言。

「高速恋愛少女2。」

「恋愛少女2」の高速バージョンがフロアーに炸裂。ここから先、フロアーは描写不能な状況となった。めちゃくちゃである。ほぼハードコアバンドにも近い過激さを作り出す Caramel。トランス状態にも近いフロアーの中で、この状態をどう書けばいいのだろうと途方に暮れていた。曲が終わってしばし現実に戻る。

「ありがとうございまーす! みんな、生きてますか?」

最適な問いかけであった。

「ツアーファイナルに来ていただいてありがとうございます!」
「このツアーで本当に色々なことを得ました。その中でより強く思ったのが、もっともっとみんなで楽しい空間を共有したい、っていう想いが生まれました」

「みんなも嫌なこととかあると思うけど、そういうことも共有して、共有することでこの空間で生きてて良かった、楽しいって思えるようにって」

「今、死にそうだけどね(笑)」

「このツアーでみんなと楽しい時間を過ごして、最高の仲間達と一緒に回ってきて、本当に最高でした。このツアーを糧にして、また頑張っていきます。本当にありがとうございました!」

他にも、仲間達へのリスペクトと感謝を語る Caramelにフロアーからは満場の拍手と声援。そして最後はしっとりと「月下のナミダ」で締め、Caramelの怒涛のステージは終了した。


続いては「絶叫する60度」の登場。ステージが暗転、「ナウシカレクイエム」が流れ始めると、フロアーは一気にブチ上がる。SEが終わり、もんてろはマイクを通さずに会場に向かって絶叫する。

「おはようございまーーーーーす!!」

そして「桜は二度散る、そして二度咲く。」に突入、フロアーは一気に熱狂と混沌の世界へと旅立つ。魁ともんてろはフロアーに負けない気合と気迫で、全力のパフォーマンスを続ける。続いては「空蝉の花」。静寂ともんてろの「オ゛イ゛!」が同居するギャップを超える度に、フロアーの熱気は高まっていく。続く「タイトロープドリーマー」のイントロ中、もんてろが叫ぶ。

「ツアーファイナル、明日死んでも後悔しないライブにするぞーー!!」

それに応じたフロアーはさらにそのアクションの度合いを増し、こちらもトランス状態になっていく。序盤の狂乱を経て十分以上にアツイ空間となっているフロアー。ここで「道化師のパズル」で少しのクールダウン。想いたっぷりに歌う魁ともんてろ。フロアーは手拍子を打ちながらステージを見つめる。続いて静かに始まった「逆襲という名の旋律」。中盤からフロアーの本領発揮、全力で声を上げ始める。そして曲中、もんてろが叫ぶ。

「このツアーに着いてきてよかったーーー!!」

大歓声を上げながら動き続けるフロアー。全員の想いがグッと高まった瞬間だった。そしてここで魁が語り始める。

「このツアーは本当に得るものがたくさんあって、自分はもっとしっかりしなきゃって思わされました。このメンバーは・・・」

と言ったところで魁が感極まり話せなくなると、もんてろが「がんばれー」と突っ込む。

「みんなが真剣にやってて、誰も適当な思いでやってないからこそ本当に楽しくて。今日のファイナルで終わっちゃうけど、今よりももっと成長して、今日ここに集まったみんなと一緒に、今日よりもっと最高な日を作りたいと思います。本当にメンバーのみんなと、ここに集まってくれたみんなに出会えて良かったです」

魁の気持ちをしっかりと受け止めるフロアー。そして静けさの中、「三年days」のサビを 2人がアカペラで歌い始める。息を呑んで次の展開に備えるフロアー。そしてイントロが始まった瞬間、一気に狂乱の空間に戻る。続いて、このツアーで歌い始めた新曲「ラブレター」。さらに「Only Place We Can Cry」と続け、終盤の攻撃に入る 2人。それを真っ向から受けて立つフロアー。「絶叫ジャッジメント」のイントロが流れ始めると、その狂乱さが一段と上がる。駆けまわり、コールを続けるフロアー。続いて「大惨事ぼっち戦争」のイントロが流れ、もんてろが煽る。

「これでラスト、悔いの残らないように最高の思い出作ろうぜ!!」

またもやカオス状態に突入するフロアー。この曲でアガるのはお手のものと、会場狭しと走り回り、力の限り 2人のパフォーマンスに応えていた。「以上、絶叫する60度でしたー!」 満場の拍手を浴び、2人はステージを下りた。


そしてツアーファイナルの大トリで登場したのは「谷川POPゴリラ」。考えてみると、ガールズバンド、アイドルユニット、男性日本語ラップROCKバンドと、ラインアップがそもそもごちゃまぜのこのツアー。しかし、そのごちゃまぜが、予想できない熱量を生み出したことも事実であった。

登場と同時に Vo.白木智之が会場に語り掛ける。「ツアーの大トリ、色々考えた。でもあんないいライブされたら全部ぶっ飛んじゃいますよ。オレたちの全力をここに残していきます。4月9日、FLOOR WA CHAOSツアー、六本木 morph-tokyo、オレたちが!」

「谷川POPゴリラだ」

そして1曲目「俺的恋の予感」が始まった。ファンキーなラップ。 Dr.浜屋周作のハネる、かつソリッドなドラミングに、見ているだけでハッピーになる Ba.加納 誠人のベースラインが絡みつく。そこに Gt.Rayの心地よいカッティングがグルーヴを作り、フロントマン Vo.白木が視線を集めてメッセージを放っていく。フロアーもその心地よいグルーヴに身をまかせて身体を揺らしている。後半にはリズムに合わせて声を上げ、ステージを楽しんでいた。2曲目にはサークルモッシュを促し、ファンキーなリズムに合わせてフロアーはモッシュ、横飛び、WODとその熱はどんどんと上がっていく。「願ってたって、何も変わりはしない。だったらやるしかない、誰かが、自分が、変えていくしかないんです!」と熱のこもったメッセージを語る白木。その言葉に乗せられるように、フロアーは身体を動かし続ける。

「休ませませんよ!」

と 3曲目のイントロ、心地よいカッティングのギターでフロアーを煽ると、またもファンキーで攻撃的なリズムを叩きつける谷川POPゴリラ。「飛べー!」の声でジャンプを連発するフロアー。彼らのパフォーマンスを観客は心から楽しんでいるようだった。そして中盤に入ると Vo.白木が語り始める。

「最終日ですよ。この4バンドが同じ日に、同じステージに立てる日はもうないかもしれないんです。このツアーを回ってきて、たくさんの人と会いました。でも、オレのこと、ちゃんとは伝わってないと思うんで、次の曲で、オレが音楽と出会った時の話をしたいと思います」

そしてゆったりとしたラップで自身の生い立ちを歌い始める「Make My Day」。フロアーは身体を揺らしながらそのメッセージに耳を傾ける。音楽にかけるその熱い想いを曲に乗せて語る Vo.白木。この熱が、この言葉が谷川POPゴリラの根底にあるのだ。そのメッセージに合わせた「谷Pー!」の掛け合いにも熱が入る。自身の想いを伝えたその後は、ツアーのお楽しみ、コラボタイム! 今回はラップが中心ということもあり、彼らが呼び込んだのはまなみのりさ。フロアーからは期待の大拍手。みのりとりさがフロントに立ち、曲が始まる前に叫ぶ。「オレたちが」

「谷川まみりゴリラだーー!!」

大歓声の中、始まったのは「見ろよ」。アップテンポな曲に高速なラップをかぶせてグイグイと空気を引っ張っていく谷川まみりゴリラ。みのり、りさが加わってハモリも披露しながらラップを楽しむメンバー。そして手拍子、ヘドバンと思い思いに楽しむフロアー。大歓声の中、まなみのりさと一緒に楽しんだコラボを終え、白木は再び語り始める。

「このツアーで、なんでこの対バン受けたのって、客層も違うだろうし、そう言われました。このツアーで出会ったあなた達一人ひとりは、今日みたいな日がなければ、この先出会うことはなかったかもしれません。」

「だから今日、ほんとはめちゃめちゃ怖かったんです。オレらが大トリで、この後、あのヘンな男のバンドしか出てこないってみんながわかった時、どれだけフロアーに残ってくれるかって、すごく怖かった。でも、このツアーで出会ったあなた達が恋しかった、すごく会いたくなっちゃった。だから、ある日を作りました」

「5月29日、Caramelと 2マンやります!!」

「音楽が、ライブが好きで集まってくれたみんな、このツアーがあなた達の明日を作っていることを、身体で感じておいてください。ありがとうございました!」

アツい。これが谷Pのアツさだ。そして最後の 2曲に突入する。彼らから伝えられた想いを抱きながら、フロアーはツアーの最後に向かって走り始める。彼らの音楽、言葉、そのアツさは確実にフロアーの心を動かした。名古屋、大阪、 広島、そして東京と旅をしてきたこのツアー。出演者達も得るものがたくさんあったと語っていた。その想いは確実にステージからフロアーに伝わっていたはずである。最後の力を振り絞り、声を合わせて腕を突き上げるフロアー。最後の最後にまたもやカオスと化すフロアー。そして最後に Vo.白木が叫ぶ。

「改めて知った。アイドルは強え、ガールズバンドも強え、でもオレ達も負けない! だからこれだけは覚えておいてください。オレ達が!」

「谷川POPゴリラだ」

こうして FLOOR WA CHAOS -spring tour2016-の幕は下りた。と思った瞬間、出演者達がステージになだれ込んでくる。Caramel ユウミを中心にフロアーに向かって全員が叫ぶ。

「オレ達がー、絶叫するキャラみりPOPゴリラだー!」

ツアーの成功を祝うように大きな拍手、そしてメンバーはフロアーと共に記念写真を。このツアーファイナルの後、出演メンバー達がツアーの終了を惜しむつぶやきをたくさん目にした。彼ら、彼女達にとって、とても大きなツアーで、それはフロアーからでも感じることができた。このツアーを糧にして、新しい仲間、新しい行き先を見つけ、それぞれがまたパワーアップしていくことだろう。そして、パワーアップしたこの 4組でのステージがまた見てみたい。終わったばかりなのに、そう感じた文字通りカオスな夜だった。



Text: 大泉 繁





FLOOR WA CHAOS -spring tour2016- Final
2016年4月9日(土) 六本木 morph-tokyo

【まなみのりさ】
00. 逆襲のポラリス(サビ・アカペラ)
01. 逆襲のポラリス
02. 花魁サンダー
03. 真夏のエイプリルフール
04. レモンサイダーと夏休み
05. ポラリス Episode ZERO
06. ポラリス
07. νポラリスAb

【Caramel】
01. tkmkセンセーション
02. スナイパーガールZ
03. Tailwind
04. ラブストーリー
05. ブラララビュー(仮)
06. 恋愛少女
07. 恋愛少女2
08. 恋愛少女2高速Ver
09. 月下のナミダ

【絶叫する60度】
01. SE(ナウシカレクイエム)
02. 桜は二度散る、そして二度咲く。
03. 空蝉の花
04. タイトロープドリーマー
05. 道化師のパズル
06. 逆襲という名の旋律
07. 三年days
08. ラブレター
09. Only Place We Can Cry
10. 絶叫ジャッジメント
11. 大惨事ぼっち戦争

【谷川POPゴリラ】
01. 俺的恋の予感
02. A.D.S.L
03. Just the way you are
04. make my day
05. 見ろよ(with まなみのりさ)
06. ネガティブSUMMER
07. Borderless Party




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http://sixpercentismine.net/z60/
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2016年05月18日 20:55