怒涛の一週間連続イベント「tkmk 爆女祭」が二日目を迎えた。会場は超満員の観客。開始前から既に温度は急上昇。
本日二日目のトップバッターは、仙台発の異色(?)ガールズバンド「HERe:NE」。圧倒的な個性で迫る Vo.和鬼子の会場を巻き込む歌声と煽り、クールな面持ちで鋭いギターを奏でる Gt.煉、アツいステージングで楽曲を盛り上げる Ba.桜紅、そして丸い大きな頭で超絶ドラムをたたき続ける Dr.デッド子。そのアグレッシブなステージングに、会場ではサークルピットも出現する盛り上がりぶり。今年は 100本のライブを実行すると高らかに宣言している「HERe:NE」。その 100本目は原宿アストロホールでのワンマンライブ! これは見たい! ちなみに仙台出身の筆者は個人的に親近感を持っている。
二番目の登場は「ヒラガナ路線」。個性的だがきっちりと歌詞を届ける明晰な歌声を持つ Vo.イヒラ、激しいアクションでステージを魅せる Gt.シイナ、寡黙に重厚なリズムを奏でる Ba.カツラ、カッチリとした抜けのよいドラムを披露する Dr. アンナの 4人組である。特に感じたのはバンドの「塊」感。ドラム、ベースを中心にギターが絡むサウンドは圧倒的な音の塊となって会場に発信され、そこにイヒラの全てを通り抜けるような歌声が響く。観客もその心地よさに良い、腕を振り上げ、歓声を上げ続けていた素晴らしいステージであった。
三番目に登場したのはメイド服に身を包み、「お給仕」(ライブ)をしにやってきた「BAND-MAID®」。「ご主人様! お嬢様!」と叫ぶそのルックスに惑わされるが、出てくる音はびっくりするほど超ヘヴィ。ハイスピードからミドルまで重いリズムを得意とする Dr. 廣瀬茜、リズムに合わせて身体に響くベースを奏でる Ba. MISA、複雑なリフを難なくこなす Gt. 遠乃歌波、ツインギターとツインボーカルの双方をこなす Gt. Vo. 小鳩ミク、そして重く速い楽曲に全く負けずに歌声を届ける Vo. 彩姫。心地よいヘヴィロック、特にミドルテンポの楽曲のキレと重さは圧倒的な迫力で迫る。その音の洪水の中、観客は腕を振り上げて応えていた。
そしていよいよ 4番目に登場の主催者「Caramel」。二日連続くらいなら若さで平気か?とも思ったが、そんなことは完全な杞憂に終わった。初日と全く変わらずに、小さな身体から文字通り圧倒される声の伸びを表す Vo. ルミ、激しいアクションとサイドボーカルをきっちりと決める Gt. ユウミ、大きな楽器をこともなく操る Ba. サユキ、一つ一つの音をカッチリと鳴らして土台を支える Dr. モモ。この小さな 4人が文字通り力の限り、観客も思わず入り込んでしまうような見事なバンドサウンドを作っていた。MC無しでストイックにステージを進める Caramel。その必死さから彼女たちの気持ちが痛いほど伝わってくるライブ、しかし、だからと言って悲壮ではない。ステージ上の彼女たちも、それを見ている観客も皆がハッピーになる。そんな彼女たちの今後には大いに期待できる。
そしてトリは「LoVendoЯ」。数多くのライブと経験を積んできた彼女ら、さすがの貫禄である。言わずもがなバンドを始め、シーンを引っ張って来た Vo. 田中れいな、ツインボーカル一方の雄 Vo. 岡田万里奈、ポーカーフェイスで華麗な演奏を魅せる Gt. 宮澤茉凜、アグレッシブなアクションとプレイで魅せる Gt. 魚住有希。この 4人が作り出すアンサンブルは実に見事である。ある時はツインボーカルのハーモニー、ある時はツインギターのハーモニーで聴かせ、静の曲ではじっくりと聴かせ、動の曲では会場中を一つにするほどの盛り上がり。長い時間をかけて作られてきたこのバンドならではの魅力が十二分に発揮されていた素晴らしいステージであった。
こうして「tkmk 爆女祭」の二日目は終了。会場は汗と熱気でうだるような暑さの中、笑顔で帰路につく観客の姿が印象的であった。この怒涛のイベント、これだけの盛り上がりを見せるということは、このような姿を望んでいた観客が多かったということか。明日 5/12は、逢瀬アキラ、SORAMIMI、ダイアナガーネット、CherryHearts、そして Caramelの 4組である。今ならこの波にまだ乗れる。気になる方はとにかく一見してみることをオススメする。
Text: 大泉 繁