
2025年1月17日 東京 Zepp Shinjukuにて、Risky Melody『メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」Release Tour Risky Melody 10th Anniversary Tour 「Love is…」Final ONE-MAN LIVE・「君と僕となら越えていける -10th Anniversary -」at Zepp Shinjuku』が開催された。この日のファイナルワンマンは、Risky Melody 10周年の節目と、メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」のリリースを合わせた全国ツアーのファイナル。実に昨年2月から始まったロングツアーで全国を駆け回り、Zepp Shinjukuに辿り着いた彼女達。そのツアーファイナルの全貌をレポートする。
会場が暗転し、SEが流れると同時に会場のリスメラー(Risky Melodyのファン)は大歓声でファイナルを迎える。演奏の前に、Alice、Asumiも所属する「劇団たまゆら」劇団員、ロックユニット「RAIDEN – 雷電 -」のメンバー・星守歩姫、鈴木玲那が、絵本「バクの夢」を元にした夢を食べる「バク」のお芝居を繰り広げていく。後には、同劇団員の桜咲みるも参加し、この日のライブを共に盛り上げていく。ライブを通して表現された「バク」の物語が、この日のラストに見事に回収されることになる。
「行こうか!!!!!」

ALICEの叫びで始まったファイナル、1曲目はメジャーデビューシングルとなった「いたいいたいあい」。演奏が始まるとリスメラー達の熱気は一気に急上昇、このツアーでファンと共に成長を続けたこの曲でファイナル公演は幕を開けた。
「こんばんはーーー、Risky Melodyです!!!!」
「10年間色んなことがありました。いいことも苦しいことも全て味わってきました。それでも、この場所に来てくれている皆さんに感謝して楽しみ尽くしたい。たっぷりと楽しんでいってください!!!」
そして「アイのカタチ」へ。会場のファン達の熱気は既に MAX。拳を上げ、声を上げ、全員でジャンプと、記念すべきファイナルを全身で受け止め、何よりもファン自身が目いっぱい楽しんでいる様子が見てとれた。
続いて「Defy the fate」、「UNITE」。この日もド迫力のプレイでリズムを作り出す Dr.ayae、華やかでアグレッシブなプレイでベースラインを奏でる Ba.HaRU、華麗なバッキングからテクニカルなソロまで多彩なフレーズを魅せる Gt.Asumi、そして誰よりも楽しそうに、そして万感の想いを胸に、大切に言葉を紡いていく Vo.ALICE。ステージ上の 4人からほとばしる想い、そしてリスメラー達のアツい想い、その想いが満たされた会場は、今この瞬間にしか存在しない尊い空間となっていた。




「ありがとうございます!! このツアーで色んな場所を回ってきました。初めての海外遠征も、野音にも立たせてもらいました」
「ツアーのほとんどの事は、私達自身と支えてくれる後輩達と一緒にやってきました」
「自分達で色々な事を考えて、時にはね飛ばされながら、それでも進んできて辿り着いたこの Zepp Shinjuku、ここからの景色、この景色は感慨深いものがあります。本当にありがとうございます!!!」
ここで「RAIDEN – 雷電 -」の 2人を紹介し、2人からも Risky Melodyへの想い、そしてリスメラーに負けじとアツく会場を煽り「OUT THE JOKER」、「ALL AS ONE」へ。ライブではお馴染みのこの曲で、拳を振り上げ、ジャンプしながら声を出す会場。この 2曲での会場の熱気はさらにその勢いを増していた。
ここで Dr.ayaeのドラムソロがスタート。鬼気迫る「気」がステージ上から放たれて来る。固唾を飲んで見守る会場。筆者もその一人であった。そして「何度でも生まれ変わるよ」から始まる、Risky Melodyの不屈の精神を歌った「PHOENIX」。彼女達の決意の強さがひしひしと伝わってくるこの曲に、会場のリスメラーも声を上げて応える。そして星守歩姫、鈴木玲那、桜咲みるによる「バク」の物語が続いていく。
ここで ALICEのアカペラで始まる「閃光よりも眩しいヒカリ」。この日はアコースティックで贈るこの曲。会場もじっくりと聴き入る。この静寂も心地よい。

ALICEが語る。
「私達は去年大きな決断をしました。メジャーデビューしてやりたいことがあって、その一つが女子だけのエンターテインメントな演劇集団を作ることで、劇団を作りました!」「劇団たまゆらって言うんですけど、先日 2期の発表もあって、今日もメンバー皆が手伝ってくれてるんですよ」
「ここに来てくれているみんな、本当に駆けつけてくれて、そして一緒に熱を注いでくれて、こんなに幸せなことはないです。本当にありがとうございます!!」
「先日、劇団たまゆらの舞台の主題歌として作った曲があって、普段の楽曲とは少し雰囲気が違うんですけど、聞いてください」
曲は「Binary Code」。幻想的な音響にバンドサウンドが合わさり、独特な世界観を醸し出す。ここで彼女達のホーム、下北沢VOICE FACTORYの改装と、何度も閉店の危機を乗り越えたことを伝える。次の曲は、そんなホームを守るべく活動をしていた時に作った曲「To Survive」そして「VOLCANO」へと続く。

続いて、切ない気持ちを歌うロック・バラード「記憶の岸辺」。「その向こうには 失くした人と 失くした夢と 消えない愛と」という歌詞が心に染み渡る。
ALICEが語る。
「私達は、この Risky Melodyで出会ったメンバーです。信じ合う、同じ志を持って嬉しい事も苦しい事もみんなで分かち合う、そしてどんな困難も、何度も何度も一緒に乗り越えてきました。
私達は去年 4人になりました。私達は 5人がベストで、これから先もこの体勢でずっと進んでいくものだと思っていました。でもできなかった。
苦しい事も他の 4人で、みんなで分けて頑張って行こうって、何度も呼び戻そうとしました。一緒に夢の場所まで行こうって。でも。難しかったです。だからもう辛い思いを続けさせたくない。私達の気持ちだけで引き戻したくない、そう思いました。AYAを応援してくれてた皆さん、守れなくてすみません。
だけど、5人で見た楽しい夢は守りたいなって思います。最近、5人が揃ったあの頃を思い出すんです。足りない部分がやっと揃った、願いが叶う、ってあの時本気で思った。だから 5人を花びらに見立てて「BLOOM」っていう曲を作りました。大きな花となって、5人で咲こう、そんなバンドになろう、そんな話をたくさんしたのを今でも思い出します。
誰に何と言われようと、AYAちゃんの夢の一つであるメジャーデビューを、一緒に迎えることができた、それが何よりよかった。今日目の前には立派な花がたくさん咲いてる。たくさんの花が AYAちゃんに届きますように。私達とみんなと限られた時の中で、真剣に生きた AYAちゃんを思い出しながら聞いてください」
「BLOOM」。曲から放たれるメンバーの想いを全身で受け止め、拳を上げ、声を出して応えるリスメラー達。この想いの強さは圧倒されるほどだった。筆者にとっても Key.AYAがいるリスメロが普通だった。だが「普通」というものは、続くこと自体が奇跡のようなものなのだ、だから「普通」でいること、それこそが貴重なのだと、この日改めて感じさせられた。

「私たちは信じてる。信じてたら、また元気できっと会える気がする。一緒に大事にしてきた場所で、また会える時をゆっくりと待ちたいと思います」
その場所を歌った「Place of Destiny」。さらに ALICEがファンへ感謝を伝える。
「色々な愛の形があって。今日この空間も本当に愛に満ちてると感じてます。私達の目の前に、こんなにたくさんの愛がありました。オープニングからずっと伝わってきます。本当に心からありがとうございます」
「もっといい歌を、曲を、ライブを、より一層情熱を持って、今年は 1から作っていきたいと思います。この幸せな時間が少しでも長く続きますように。それを願いながら心を込めて届けます。全ての人に愛の奇跡を」 そして「Love is…」へ。
「世の中楽しい夢ばかりじゃ決してない。誰もが辛い夢、怖い夢を思い浮かべながら生きてる。そんな嫌な夢を食べてくれる空想の生き物バク。嫌な夢を食い尽くして、いい夢だけを残せるような、そんなアーティストになりたいです。Risky Melodyを応援してくれる皆さんに、少しでも夢を見させられるような、そんな存在になれるように頑張ります。今年も皆様よろしくお願いします!」
「最後は新曲です。聞いてください」
「貘-BAKU-」。冒頭から展開されていた「バク」の物語がここで回収される。ミドルテンポながら壮大な展開を見せ、思わず見入ってしまう新曲であった。
「ありがとうございましたーー!!」
本編は終了したが、もちろん終われない。すかさずアンコールがかかる。
「アンコールありがとうございます!!」
「今日は、私が大好きだったわたなべゆうさんの『バクの夢』という絵本を、劇団たまゆらのメンバーと、モチーフにしてやらせていただきました。わたなべゆうさん、ありがとうございました」

ここでメンバーそれぞれがツアー、そしてファンに向けた想いを語る。
HaRU
「先日祖父が涙を浮かべながら、私の手を握りながら、こういう風に人を喜ばせるような事をやってくれていることがすごく嬉しいんだ、っていう風に言ってくれました。私はこうやって集まってくれてるみんなに、まだまだ全然できないと思うんだけど、これから少しずつでも喜ばせることができるように、まだまだ人生長いですから頑張っていこうと思います。ありがとうございました!」
Asumi
「去年の 2月から始まって約 1年間、こんなに長いツアーは初めてで、いいこともいっぱい、本当にいろんな景色見たし、色々な出会いも別れもあったし。でもこのツアー、うまくいかないこともいっぱいあって、色々考えさせられて、色々な不安もあったけど、がむしゃらにみんなで 5 人で頑張ってきて、こうやってファイナル、みんなとこの景色を一緒に見られて、1年間頑張ってきてよかったなって、皆さんのおかげで思いました。ここから先はもっともっと頑張っていくので、これからもどうぞよろしくお願いします!」
ayae
「この日を迎えるためにずっとこの 1年間走ってきて、年末になるにつれてあっという間だ、て思いながら。長いツアーだなと思ったんですよ。1年間ツアーして、初めての海外とか野音とか楽しい経験もしたし、だけど、なかなか思うようにいかないんだよね、これが。本当に今日こうやって時間かけて来てくれた皆さん、スタッフの皆さん、本当にメンバーも後輩達も本当にありがとうございます!」
ALICE
「私たちは皆様のおかげでこのステージ上で存在することができています。みんなは私たちの宝物です。みんな私たちの誇りです。本当にありがとう!! みんなの声援、拍手、本当にもう視覚でも耳でも、本当にたくさんたくさん受け止めました。しっかりと胸に焼き付けました。これからも誰かに喜んでもらえる音楽を作っていけるように、情熱を持って頑張っていきたいと思います。私たちも頑張ります。皆さんも 2025 年頑張ってください。今日はありがとうございました!!」
大きな拍手で受け止める会場。そしてアンコールはこの曲「Risky Melody」だ。ファイナルを完遂し、笑顔でステージに立つ彼女達。リスメラーへの感謝を込めて、大切な曲を大切に奏でる。そしてアンコールラストの「いたいいたいあい」でファイナルを締める。笑顔溢れる Zepp Shinjuku。素晴らしい空間、そして時間。Risky Melodyの 1年間にわたるツアーファイナルはこうして幕を閉じた。
「君と僕となら越えていける」
毎年掲げている周年ワンマンのタイトルは、年を重ねることによって重みが増していくように感じる。令和の時代に結成から少しもブレることのない志、努力と根性で自分たちの道を切り開くガールズバンド「Risky Melody」は、新しい時代のカリスマになりえる未来を感じるライブであった。彼女たちは今年もきっと、どのバンドにも歩くことのできない道を自分たちで作って、進んでいくことだろう。
10周年、メジャーデビュー、デビューシングルリリース、リリースツアー。Risky Melodyの怒涛の 1年が過ぎ、また新たなストーリーが始まる。またこれでもかというくらい、私たちを楽しませてくれるはずである。
Text: 大泉 繁
2025年1月17日(金)Zepp Shinjuku
Risky Melody
メジャーデビューシングル「いたいいたいあい」Release Tour
Risky Melody 10th Anniversary Tour 「Love is…」Final ONE-MAN LIVE
「君と僕となら越えていける -10th Anniversary -」at Zepp Shinjuku
01. いたいいたいあい
02. アイのカタチ
03. Defy the fate
04. UNITE
05. OUT THE JOKER
06. ALL AS ONE
07. PHOENIX
08. 閃光よりも眩しいヒカリ(Acoustic)
09. Binary Code
10. To Survive
11. VOLCANO
12. 記憶の岸辺
13. BLOOM
14. Place of Destiny
15. Love is…
16. 貘-BAKU-
Encore
17. Risky Melody
18. いたいいたいあい

【Risky Melody ライブ情報】
2025/02/11(火祝) Risky Melody 11th Anniversary
下北沢VOICE FACTORY 16:00~
https://tiget.net/events/369364
2025/02/12(水) LOVE DELUXE vol.2
新宿ANTIKNOCK 21:15~
https://t.livepocket.jp/e/love_d2
2025/02/15(土) Vo.ALICE Birthday Party
下北沢VOICE FACTORY 16:00~
https://tiget.net/events/373066
2025/02/16(日) MINI ONE-MAN
大阪・西九条BRAND-NEW 12:30~
httsp://tiget.net/events/369367
2025/02/17(月) MINI ONE-MAN
名古屋・MUSIC FARM 19:00~
https://tiget.net/events/369368





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