FullMooN、11周年記念ワンマンライブを開催! 楽しさと涙のステージをレポート!

4月22日(土)渋谷GUILTYにて、元祖秋葉系ガールズロックバンド「FullMooN」が、「FullMooN 11周年記念ワンマンライブ Dear…」を開催した。この日は日中に「ねね生誕祭~ねねっ子どうぶつ大集合!!~」を開催、ダブルヘッダーでのライブとなった。結成 11周年を迎える FullMooN。今やガールズロックバンド界の重鎮とも言える存在となっており、ライブでのそのパフォーマンスは圧巻である。11周年を祝うワンマンライブ、その様子をレポートする。

オープニングアクトを担ったのは「Sirius」と「Empress」。両バンドとも人気急上昇中のガールズメタル/ハードロックバンドである。まずはガールズメタルバンド「Sirius」の登場。メンバーは Vo.Miwa、Gt.あにゃ、Gt.rio、Ba.Fa、Dr.Ami。初々しい中にも、重さと速さが同居するメタルど真ん中を駆け抜ける。ニコニコと笑顔を見せながら、ハイスピードでツインギターを魅せる姿に今後の期待が高まる。

続いてはガールズハードロックバンド「Empress」の登場だ。メンバーは、Vo.ageha、Gt.みつき、Ba.莉音、Dr.いおり。堂々としたステージングで観客を煽りながら、安定した演奏で熱気をさらに上昇させる。その姿は、Empressのスタイル、とも言えるほどに確固たる様式を確立しているようにも見えた。

両バンドとも、今後を担うガールズバンドになり得る存在である。次の機会にはロングバージョンのライブをぜひ体験してみたい。そしていよいよ「FullMooN」の登場だ。静かな SEと共に幕が開き、観客に背を向けた形でメンバーが登場。固唾を呑んで見守る観客に Vo.ねねが叫ぶ。

「11周年ワンマンライブ、楽しんでいくぞ!!」

1曲目は「青い月」。満月團(FullMooNのファンの呼称)は拳を上げ、心待ちにしたワンマンライブを存分に楽しもうと、スタートからすさまじい熱気でステージに相対していた。Dr.​葵の重く速いドラムは、曲によって様々な顔を作り出し、リズムの根幹を担う。Ba.​りんのアグレッシブなアクションには定評があり、ベースプレイはもちろん、そのステージングは惚れ惚れする程の美しさである。複雑なバッキングとソロで会場を煽りながら、多彩な表情でプレイする Gt.えれんのギターサウンドに乗せて、Vo.ねねがシンガー、フロントパーソンとして会場の熱気に立ち向かい、FullMooNとしての塊で会場に勝負を仕掛ける。続く「Time limit」では、リズムをバックに Vo.ねねのロングトーンが映える。そしてハイスピード・ヘヴィチューン「存在証明論」。手数の多いドラムとツーバス連打が心地良い。ここで Vo.ねねが MCを取る。

「今日はワンマンライブ Dear…にお越しいただき、ありがとうございます!!」

「ワンマンもそろそろ終盤に入ったところでね」 会場からは「オイオイ!」のツッコミが入る。

「ここで早速1人目のゲストを呼びたいと思います!」

呼び込まれたのは Empressの Vo.ageha。ねねはフロアに降り、agehaのヴォーカルで「世界に一つだけのパーリナイツ」。歌いながら会場を煽る agehaはきっちりとステージに華を添えた。ねねがステージに戻り、「花火」、「日常」と続ける。

「ワンマンもそろそろ終盤に入ったところで、2人目のゲストです!」

カブせも使うエンターテイナーぶりはさすがである。2人目のゲストは Siriusの Gt.あにゃ。Gt.えれんとのツインギターで、複雑な構成のマイナーヘヴィチューン「Paradigm」。速いリズムでの ねねのヴォーカルが一段と映える。あにゃがステージを降り、続いてハイスピードチューン「イデア」、「サバイバル」と続ける。ステージ、会場共に声を合わせ、拳を振り上げ、ヘドバンと熱気は最高潮に高まる。

「次の曲は FullMooNが11年間、大切にしている曲です」

として、満月團への想いを込めた、メロディーラインが印象的な「ステージ」を披露。曲が終わると、ここでメンバーは無言でステージを去る。ここで邪悪将軍が FullMooNの応援ということで、ジャンケン Tシャツ争奪戦。邪悪将軍の軽妙な語りとパフォーマンスで会場は和やかな雰囲気となった。

そして再び幕が開き、白い衣装に身を包んだ FullMooNが登場。曲はニューアルバムの同名曲「Dear…」。ベースラインの上で歌い上げるねねのヴォーカルが印象的であった。続いて「癒えない傷隠したまま笑う君は僕に似ている」。そして再度 MCへ。

「第二章に入りました! この衣装は、「Dear…」の MV撮影に使った衣装です。」

「宴もたけなわということで、3人目のゲストをお呼びします!」

呼び込まれたのは Empressの Gt.みつき。曲は「Reset」。ここでの Vo.ねねの歌唱とアクションは、目が釘付けになるほどの迫力で会場に迫っていた。通常編成に戻り、「OMY」、「オレンジビーチ」と続く。ハイスピードチューン「OMY」をバックに、ここでイズカイザー軍団がフロアでの戦いを始める。軍団はステージにも上がり込むが、ねねがキツイ一発をお見舞いして収拾を図る。「オレンジビーチ」ではステージに合わせてタオルを、手を振って楽しむ会場。

ここで次の曲について「満月團の皆さんから歌詞を募集して作った曲です!」 タイトルは「From 満月團」。満月團から届いた歌詞だけで作った曲を披露する。歌詞を使って FullMooNとコミュニケーションを行った結果、楽曲となって聴けるというのは、満月團として至上の喜びではないだろうか。

「さあ、ここからラストまでノンストップで行きますよ! 最後のゲストを呼びましょう!」

ゲストは Siriusの Vo.Miwa、曲は「Broadway」。Miwaに合わせて、フロアでクルクルと回る観客。これは楽しそうだ・・・と羨ましかった。Miwaがステージを去り、ラストまで FullMooNは突っ走る。綺麗なメロディラインに観客が声援で応える「Trust」、掛け合いを楽しんだ「shut out」、そしてラストは「絆」。最後にしたくないとばかりに、力の限りステージに対峙する観客。メンバーも、観客も笑顔、笑顔である。楽しい。FullMooNのライブは本当に楽しい。本編はこれにて終了、しかしまだまだ見たい。もちろんアンコール。

拍手に迎えられてメンバーが再度登場。メンバーそれぞれから、11周年について、そして観客への感謝を述べる。そして最後にねねが涙ながらに語る。

「楽しいことがたくさんあったんですけど、本当に悲しくてたまらない出来事があって、

 でも、メンバーも満月團も支えてくれて、だから本当にみんなが大好きなんですよ」

「会えなくなった人とも、音楽でならつながっていられる、そんな想いを込めてこの曲を作りました」

そして「alive」をしっとりと歌い上げるねね。その想いもあっただろう、FullMooNが奏でるメジャーバラードが、突き刺さるほどに身体に届いていた。そして身動きができなくなるくらいのその想いの強さに、心地よく身を委ねていた。圧巻であった。そしてラストは、出演者全員をステージに呼び込む。ラストの曲は「しゃむちゃら」。オールスターの全員で、そして観客全員で振りを楽しみ、メンバー全員が観客に感謝を伝え、ワンマンライブは幕を閉じた。

11周年を迎える歴史を持つ FullMooN。その年月は伊達では無い。様々なものを乗り越えて今を進んでいる。またこの空気を体感したいと思った。見る人にそんな風に思わせることは、一朝一夕にはいかない。観客に想いを伝える、共感を持ってもらう、楽しんでもらう、この日の FullMooNは確実にそれができていた。アーティストとしてもエンターテイナーとしても、心から楽しめるバンド FullMooN。彼女達の音、思い、生き様を、会場で感じて欲しい。あなたの中の「楽しさ」が、きっと一つ増えるはずである。

Photo:越智雅也
Text: 大泉 繁

2023.4.22(土)
渋谷GUILTY
「FullMooN 11周年記念ワンマンライブ Dear…」

SE
01 青い月
02 Time limit
03 存在証明論
04 世界に一つだけのパーリナイツ
05 花火
06 日常
07 Paradigm
08 イデア
09 サバイバル
10 ステージ
11 Dear…
12 癒えない傷隠したまま笑う君は僕に似ている
13 Reset
14 OMY
15 オレンジビーチ
16 From 満月團
17 Broadway
18 Trust
19 shut out
20 絆

Encore
01 alive
02 しゃむちゃら

FullMooN オフィシャルサイト
https://www.tatenaga.net/
FullMooN Twitter
https://twitter.com/FullMooN_tw

タイトルとURLをコピーしました