ガールズバンドを中心に、WEST FOREST MUSICが企画制作するライブイベント「ヒップ☆アタック☆パニック!!」。60回以上の開催を誇る同イベントが、2016年最初に放つスペシャルなライブが行なわれた。その名も「ヒップ☆アタック☆パニック!!~東名阪Circuit~」。東京、名古屋、大阪の 3ヶ所に渡るサーキットツアーを敢行した。
2016年1月16日、大阪、心斎橋パラダイムを皮切りにツアーは始まった。東名阪Circuitのトップバッターを飾ったのは「Hysteric Lolita」。ネオ・ゴシック・ロックを掲げ、ドラマチック、ロマネスク、様式美を携えた楽曲で感情を刺激する彼女達のステージ。メロディアスな曲は聴かせ、ハードな楽曲では全員でのヘッドバンギングを見せるなど、オープニングから迫力満点のステージとなった。
続いての登場は大阪出身の実力派ギタリスト「MIYU」。大阪でのライブは2年ぶりという彼女。ギター講師も務めるテクニカルなギターと、ポップな曲からドラマティックな曲まで、バリエーションに富んだ楽曲と彼女のボーカルでステージを飾り、観客も腕を振り上げてステージに応えていた。
次の登場となったのは大阪出身の「逢瀬アキラ」。地元に凱旋した 2.5次元ロックアーティストは、初っ端から「声出せー!」と会場を煽り、一気に熱量がアップしていく。次々にハイテンポの曲をたたみかける彼女に観客も一心に向かう。「久し振りの大阪、ほんまに嬉しい!」と語る彼女は、久々となる地元でのライブを観客と共に楽しんでいた。
続くは「Chu’s day.」。登場して音が鳴った瞬間から楽しい感覚になる彼女達のステージ。大阪でのライブは 4回目となる Chu’s day.、そのポップで明るい楽しさで会場を包み込み、観客も声を合わせて声援を送る。「Rocking shoes」からの終盤、会場は一体となって熱気が一段とアップ。大阪の夜を彼女達の色に染めてステージは終了した。
大阪のラス前は「Caramel」。観客との盛り上げバトルに定評ある彼女達のステージ、大阪でもその勢いは全く変わらず、観客も負けずに彼女達に挑んでいた。演奏と歌声、そして絶叫で会場を煽り続ける Caramelと、全身でそれに応え続ける観客達。そして後半、恒例の地獄セトリに突入、待っていたとばかりに混沌と熱狂に包まれる会場。ステージ、フロアとも全力を出し切って、Caramelのステージは終了した。
大阪のトリを務めたのは「CREA」。1曲目からハイテンポな楽曲で会場に挑む彼女達。迫力のサウンドと気合はこの日も全く変わらず、激しいリズムでグイグイと会場を引っ張り、観客も声を合わせて拳を突き上げる。その熱い空気のままラストに突入、「全力出し切れー!」の絶叫と共に会場は爆発、熱狂を最高潮に高め、CREAが大阪の夜を熱く飾った。
そしてすぐ翌日の 1月17日、名古屋MUSIC FARMにて開催。最初の登場は平均年齢19歳という若手、名古屋のガールズラウドロックバンド「Quince」。迫力のドラムとリズム隊、そこにエモーショナルに絡むギターとボーカルが印象的である。オープニングでもグイグいと引っ張るその勢いと強さ、今後楽しみなバンドである。
続いての登場は「ガールズロックバンド革命」。定評あるパワフルなドラミングに乗せて、メロディ、ボーカルを一気にたたみ掛ける清々しいステージ。その迫力に引っ張られるように会場は次第に彼女達の世界に引き込まれていく。その骨太なサウンドに観客は拳を振り上げ、声を上げてその迫力と空気を楽しんでいた。
次に登場したのは「逢瀬アキラ」。幕が開くとそこにはなんと CREAのメンバーが。この日はバックに CREAのメンバーを擁するというスペシャルなステージとなった。そのサウンドをバックに、彼女のそして会場のテンションも一気にヒートアップ。ガッチリと音の塊を届ける CREAの演奏と彼女の歌声に導かれるように、大声援でステージに向かい、異様な盛り上がりを見せた圧巻のステージであった。
続いては大阪に引き続いて「Hysteric Lolita」の登場。この日も華麗な旋律とパワフルなサウンドは健在。名古屋の観客にその魅力を伝えていた。ロックの様式美とテクニカルなフレーズ、そこに独特のメロディラインが乗り、心地よいグルーヴを作り上げる。その華いっぱいのステージに引き込まれる観客。腕を振り上げ、声を合わせてステージに向かっていた。
そして二日連続、逢瀬アキラのバックも務めた「CREA」。パワーは全く衰えることはない。この日も1曲目から観客に挑むようなパワフルなステージで突き進む。もちろん観客も負けていない。精一杯の声と一心に振り上げる拳でステージ上の彼女達に向かい、そして楽しんでいた。彼女達も同じである。CREAというバンドが作り出すサウンドと空間の中で、心からこのサーキットを楽しんでいるようだった。
そして名古屋が地元の「Split BoB」の登場。早くも会場からは大歓声が。彼女達らしいストレートなロックチューンに、観客も心地よく身をまかせ、腕を振り上げ、ステージに応える。ラストの「スパイス」では、その独特なグルーヴに会場は身体全体を使ってその空気に浸り、ステージとの掛け合いを楽しみ、飛び跳ねながらライブを楽しんでいた。
名古屋のトリは「Caramel」。連日ライブはもはや日常の彼女達。いつものように1曲目からそのパワーと勢いを全力で会場に届ける。名古屋の観客の反応は早かった。ステージの勢いに負けじと一気にヒートアップしていく。中盤では早くもクラウドサーフで会場を泳ぎだす観客も。名古屋でも Caramelはその魅力を最大限に伝え、大熱狂の声援の中、名古屋公演の幕は下りた。
そして 1/24、東名阪Circuit・ファイナルとなった東京。渋谷DeSeOにて行われた。SEで早くも手拍子で迎えるオーディエンス、大歓声を受けながら登場した Brats。フェミニンな衣装で笑顔で演奏する彼女達だが、そのサウンドは裏腹に超ハード。序盤から観客は腕を振り上げて一気にヒートアップ。序盤を走り抜けた後は短いMCをはさみ、今日が新年最初のライブであること、すごくドキドキしている、から「救心」のハーモニーをやりたかったというフリーダムなMCをはさみ、最新曲「十四歳病」へ。ディープな世界へオーディエンスを連れていき、熱狂する観客にさらにハイテンションの楽曲でたたみ掛ける彼女達。熱狂のまま時間は過ぎ、あっという間にラストへ。ラストでは手拍子、掛け合い、腕を振り上げて熱狂。トップバッターの役割をしっかりと果たし、会場を十二分に熱くしてBratsのステージは終了した。
2番手の登場は大阪から駆け付けた「ガールズロックバンド革命」。ひときわ目をひくパワフルなドラミングに乗せて、初っ端から一気にたたみ掛ける彼女達。1曲目から会場との掛け合いも完璧に、迫力のヴォーカルに観客も腕を振り上げて一心に応える。「名古屋も出させていただきましたが、今日はファイナル。みんな、盛り上がって行きましょうー!!」 大声援で応える観客に次々にアップテンポな曲を送り続ける彼女達。演奏に身をまかせていると、ステージから届く圧倒的な音の塊と音圧、そしてそれに負けない歌声の中に徐々に取り込まれていく感覚、これはヤバいなと思うほどに素晴らしいパフォーマンスを見せた。ラス前のMCで 2/7 大阪でのワンマンを告知、「私たちにとってとても大事なライブです!」 会場からの大きな拍手受けて最後の曲へ。ラストも圧倒的な音の洪水で彼女達の世界を会場に伝え、彼女達のステージは終了した。
3番手は「凸凹凸凹-ルリロリ-」。登場を待ちわびたファンから大声援を受けて登場した彼女達。序盤はどこか懐かしいメロディのミドルテンポの楽曲でスタート、曲に合わせた観客からのコールが会場中に響き渡る。ステージと会場のコールアンドレスポンスは正に完璧。笑顔でステージを繰り広げる彼女達のサウンドは圧倒されるほどパワフルである。観客も思い切り腕を振り上げ、パワフルなステージに応えていた。MCでは Dr.渚奈子の誕生日(3/28)に合わせて 3/26に誕生日企画を行うことと、来月 2/11には Caramelとの2マンライブを告知。MC後、中盤から終盤へ向けて迫力いっぱいの演奏を繰り広げ、会場も楽曲に合わせた声援と見事なフォーメーションで共にライブを作り上げていく。ここで会場の温度がグッと上がったのを感じるほどであった。ラストは色とりどりのタオルが舞い、会場はヒートアップ。凸凹凸凹-ルリロリ-は大歓声の中でステージを終えた。
4番手の登場は「Chu’s day.」。声援と共に登場するメンバー。タイトな演奏が始まり、Vo.ERIが歌い始めた瞬間、会場はポップでロックで華やかな空気に一変する。この「Chu’s day.」の存在感はさすがである。その世界に合わせて観客は腕を振り上げて共に楽しんでいる。大阪にも出演した彼女達。「ヒップ☆アタック☆パニック、楽しんでますかー!」に、全力で応える観客。中盤、「次は新曲をやりたいと思います! 聴きたいですかー!?」 大声援の中、新曲を披露。MCでは 2/14 ディファ有明、そして 2/28の 4回目のワンマンライブを告知、会場からは大きな拍手が。終盤に向けて「まだまだ熱くなりたいよねーー!」と会場を煽り、観客は全力で腕を振り上げて受け止める体制は万全。ここからラスト 2曲をたたみ掛ける彼女達。ラストの「Rocking Shoes」では拍手と声援で会場はヒートアップ、曲に合わせて腕を上げ、ジャンプして盛り上がっていく観客。その空気の中で響き渡る Chu’s day.のサウンドと歌声は会場を包み込んでいた。
5番目の登場は「CREA」。この日の CREAは圧巻の一言だった。ステージから放たれる「CREA」という圧倒的な塊、その全てを受け止める余裕がないほどで、金縛りのようにステージに釘付けになっていた。CREAの変化は昨年末から感じていた。以前はメンバーが全力で「CREA」を引っ張って届けようとしていた時期があったが、年末から、その「CREA」という塊がメンバーの前に出てくるようになったのだ。そしてこの日は、その状態に加えてさらにメンバーの気合がプラスされ、ステージから届けられる「想い」の量が自分の許容量を超えている状態であった。そう、それが人間の「感動」を生み出すのである。会場も異様な熱気に包まれていた。一心に腕を振り上げ、声を張り上げる観客。「みんなも信じてついて来てー!!」という叫びと共にラストになだれ込んだ CREA。伝説のライブの一つにもなり得るほど、凄まじいライブであった。
ヒップ☆アタック☆パニック東名阪ファイナルも終盤。ラス前に登場したのは「まなみのりさ」。この日の彼女達は攻めていた。1曲目から観客は全力で声を上げ、腕を振り上げ、最高潮に盛り上がった会場。そんな会場の熱気に応えるように、彼女達のパフォーマンスもダイナミックになっていく。キレキレのダンスはもちろんのこと、美しいハーモニーでステージを作り出す彼女達。2曲目に「νポラリスAb」を持ってくる。会場はきっちりとフォーメーションを決め、そして回る、回る、さらに回る。「回転」がこれだけ楽しいものだということが過去にあっただろうか。曲に合わせてきっちりとアクションを見せるファンの一体化した姿がまなみのりさの参加型ライブの楽しさである。中盤にしっとりとした曲を披露、そしてラストでも会場中を回り続けるファンの一体化したアクションで、ステージと合わせて会場全体でまなみのりさのライブを作り上げていた。
ヒップ☆アタック☆パニック東名阪ファイナルのファイナル、大トリは「Caramel」。昨年は 100本を超えるライブを行ってきた彼女達。そのライブを通じて積み重ねてきたものを、今年も爆発させる。静かに開くステージ。イントロが流れ、「今日は最後だから燃え尽きるまで盛り上がりましょうーー!!」という煽りで観客は爆発。会場中が腕を振り上げ、声を張り上げてステージに向かっていた。掛け声はもちろん、タオルを回し、ジャンプし、肩を組み、会場中を回る。会場のファンと対する Caramelが双方、文字通り「or Die」の精神で向き合い共に戦うライブ、これが Caramelのライブである。そのストイックさを示すように MC無しで突き進む Caramelに、観客は一歩も引いていない。いつもの Caramelのライブのごとく、観客は互いに肩を組み、一体となってステージに挑む。負けじと音を奏で続けるメンバー達。ラストは「恋愛少女」、「恋愛少女2」の 2連発で熱狂は最高潮に。見事に大トリの役目を果たし、東名阪に及んだヒップ☆アタック☆パニック!!サーキットは幕を閉じた。
この東名阪でのライブの熱狂が証明するように、今、ガールズバンド達の勢いが目を見張るほど大きくなってきている。バンド、アイドル、ユニット、それらの垣根を取り払いながら、その渦は日を追うごとに広がり続けている。これからも多数のイベントが開催されていくだろう。その勢いを、何かが生まれようとしているその空気を、ぜひ会場で感じて欲しい。
Text: 大泉 繁
ヒップ☆アタック☆パニック!!~東名阪Circuit~
2016年1月16日(土) 心斎橋パラダイム
■Hysteric Lolita
1. Real
2. Dualanima
3. 絶望のスパイラル
4. DISTRESS
5. Voice for Voice
■MIYU
1. fragile
2. Awakening
3. UTAKATA
4. Raise your hands
5. Glitter
■逢瀬アキラ
1. Ms.Amyは夢遊病
2. レミニセンス
3. 砂漠
4. BIND
5. Kiss me Darlin’♡Love me Darlin’
■Chu’s day.
1. Cycling
2. 愛の光
3. HOT GIRL
4. GAME
5. Rocking shoes
6. GLORY DAYS
■Caramel
1. tkmkセンセーション
2. スナイパーガールZ
3. Lovers Moment
4. ラブストーリー
5. ブラララビュー(仮)
6. 恋愛少女2
■CREA
1. GO+ON
2. REASON
3. FuFu
4. ダリア
5. GO+AHEAD
2016年1月17日(日) 名古屋MUSIC FARM
■Quince
1. WHITE
2. voice
3. one’s mind
4. still
■ガールズロックバンド革命
1. MOMENT
2. ランナーチェイス
3. sparkling smile
4. START
5. 声
■逢瀬アキラ with CREA
1. Ms. Amyは夢遊病
2. 東京シュルレアリズム
3. BIND
4. ORANGE(仮)
■Hysteric Lolita
1. 絶望のスパイラル
2. Real
3. Reversi
4. HYSTERIC
5. Voice for Voice
■CREA
1. Last Dance
2. FuFu
3. REASON
4. GO MY WAY!
5. GO+AHEAD
■Split BoB
1. スターになれない
2. ストライン
3. サクソニーブルー
4. pop my color
5. スパイス
■Caramel
1. ラブストーリー
2. 新曲(タイトル未定)
3. 恋愛少女
4. 恋愛少女2
5. Lovers Moment
6. 月下のナミダ
2016年1月24日(日) 渋谷DeSeO
■Brats
1. 世界中にたったひとつのキセキ
2. MISERY
3. 十四歳病
4. うそつきメリーゴーランド
5. outrageous world
■ガールズロックバンド革命
1. ランナーチェイス
2. MOMENT
3. ORDEAL
4. sparkling smile
5. 声
■凸凹凸凹-ルリロリ-
1. 51%プラトニック
2. ボディ・ロカビリー
3. ハイヒールキック
4. クロブチメガネとベビードール
■Chu’s day
1. Cycling
2. 愛の光
3. RUSH!!
4. HOT GIRL
5. GAME
6. Rocking shoes
■CREA
1. GO+ON
2. REASON
3. FuFu
4. ダリア
5. GO+AHEAD
■まなみのりさ
1. 逆襲のポラリス
2. OH!PLEAS
3. νポラリスAb
4. きっとここで会える
5. ポラリス
6. PUNKISH PRINSES
■Caramel
1. Tailwind
2. tkmkセンセーション
3. スナイパーガールZ
4. Lovers Moment
5. 恋愛少女
6. 恋愛少女2
●ライブ情報
2016.2.25(木)
ヒップ✩アタック✩パニック!!~がんばれ!Victory×CREA 2MAN ライブ~
出演:CREA/がんばれ!Victory
渋谷DESEO
OPEN18:30/START19:00
前売¥3,000/当日¥3,500(1DRINK別)
2016.3.04(金)
ヒップ✩アタック✩パニック!!~CREA×Caramel 2MAN ライブ!~
出演:CREA/Caramel
渋谷DESEO
OPEN18:30/START19:00
前売¥3,000/当日¥3,500(1DRINK別)
2016.3.30(水)
ヒップ✩アタック✩パニック!!~CREA×絶叫する60度 2MAN ライブ!~
出演:CREA/絶叫する60度
目黒鹿鳴館
OPEN18:30/START19:00
前売¥3,000/当日¥3,500(1DRINK別)
2016.4.08(金)
ヒップ✩アタック✩パニック!!vol.79
出演:D_Drive/ザ・ヒーナキャット/CREA/MIYU/BABY STAR GUARDIANS
渋谷Star lounge
OPEN17:30/START18:00
前売¥3,000/当日¥3,500(1DRINK別)